つまみ食い
つまみ食い
完結
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発行者:新菜
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2017/08/07
最終更新日:---

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つまみ食い 第1章 秘密のKISS

狂っていく感覚もないままに、狂っていた。



こんなことになるってわかってたら、俺は違う道を選んでた?



そんなことはわからない。


考えたところで仕方がない。




時間はもう、巻き戻せないんだから。





………………………………………………………





いつからだったろう。


直人さんが本当に幸せそうな笑顔を見せるようになったのは。




健「直人さん最近マジで絶好調っすね~~」

直「まぁね~~w

岩「やっぱり綺麗な彼女が出来ると違うのかな~~」

隆「え!岩ちゃん直人さんの新しい彼女、もう会ったの?」

岩「いや?会ったどころか写真も見せてもらってないw

隆「なんだ~~びっくりした~~」

岩「でも直人さんがいつも美人だって誉めてるからw

臣「ほんとにそんなに美人なんすかー?w

直「おいお前!失礼な奴だな!」

健「わははははw

直「本物見て腰抜かすなよ~~?」

健「ハードル上げすぎっすわ、直人さんw



二人が付き合いたての頃は、そんな風にみんなで笑っていた。



いつも長続きしない直人さんがいつまでも惚気てるからしばらくすると俺たちも「ああ本気なんだな」って察したりして。



直人さんはしばらく俺たちに彼女を会わせてくれなくて、1年以上経った頃だったかな。


「いい加減紹介してくださいよ」ってゴネる俺たちの前に、初めて連れてきてくれたのは。



「初めまして、❀❀です。」



とある番組収録の日。



直人さんが楽屋に連れてきたその人は、本当に綺麗で


俺たちは全員、息を飲んだ。



直「ほらな?見惚れるだろ~?w



誇らしげに頬を緩める直人さんの隣で、「もう直ってば」とクスクス笑う姿も可愛くて。


色っぽい女。それが第一印象だった。



岩「ほんとに美人。やっべ……///

隆「直人さんずるいっすよ!!///

直「何がだよw

健「ほんま綺麗やわ~~~~///

臣「………



みんなからの賛辞にも「ありがとう」と微笑むだけで、照れたりする様子もなく、大人な女だなと思った。



一度会わせてくれた直人さんは、もう壁がなくなったのか、それから頻繁に彼女を現場に連れてくるようになった。



直「❀❀~~~おいで♡」

「もう、直ってば…w



直人さんはいつも必ず彼女を膝に乗せたり、足の間に挟んだりしてイチャついて。


そんなスキンシップで、本番前の緊張を落ち着かせてるようにも見えた。



健「直人さん、イチャつきすぎっすわー!w

岩「俺たちに見せつけてんすかーーーもうっ」

直「別にそんなんじゃねーよw



そう言いながら直人さんは、人目もはばからずキスをする。



「なーお、みんな見てるよ?//

直「いいから、」

「ん……、」



二人のキスは日常茶飯事で、次第に見慣れていった俺らは、目の当たりにしても照れなくなった。


またイチャついてら


それくらいに思ってた。



隆「❀❀さんまた差し入れ作ってきてくれたんすかーー♡」

「うん、食べてね♡」

隆「めちゃめちゃ嬉しいっすーーー♡」

「隆二くんはいつも一番喜んでくれるから嬉しいな♡」



彼女は料理も上手くて、隆二は完全に胃袋をつかまれてるし



「健二郎くん、ステキ♡今のダンスすごくカッコイイ♡」

健「ほんまっすか?///

「ねぇ、もっと見せて?」

健「はーい…///



人を褒めるのも上手で、彼女がいると直人さん以外のメンバーもモチベーションが上がる。



「もう岩ちゃんこれ畳んでおくからね?」

岩「いつもすんませーーん///



散らかった楽屋を片付けてくれたり、みんなの面倒も良く見てくれて



臣「出来た人ですね、❀❀さんってw

「急になぁにw

臣「直人さんにはもったいねーなって思って。」

「やだ、ふふふw

直「こらー!俺の悪口かーー!」

岩「いやーでもほんとに!俺も❀❀さんみたいなお姉さまと付き合いたーい!♡」

隆「はいはい俺もーー!♡」

健「ほんなら俺もや!」

「やだ、みんな…ww



そう言って笑う顔も、やっぱり可愛い。


彼女はある意味、俺たちの憧れだった。





だから思いもしなかったんだ。


彼女に、とんでもない裏の顔があるなんて。





直「もうお前ら飲みすぎだって~~!w

隆「でーへへw やっぱりメンバー飯会は最高~!!」

臣「酒おかわり~~~!!」

「はい、どうぞw

直「こら、臣!人の彼女を使うなw

岩「俺もおかわりーー!!」

直「こら!w

「いいのよ直、ふふっw



直人さんはふわりと笑う彼女の手を引いて膝に座らせ、相変わらずの溺愛ぶりを見せつける。



直「いいからお前はもうここにいなさい♡」

「直も酔ってるでしょw

直「俺は酔ってもいいの!リーダーだから!」

健「なんすかそれぇww



久々に直人さん家に7人集まって、ワイワイ飲んで。

楽しくて仕方ない俺たちはやっぱり飲みすぎてしまった。



隆「もうベロンベロンで帰れましぇ~~ん」

岩「直人さん泊めてぇ~~~」

直「勝手に雑魚寝してろ、ばーかw

臣「マジで泊まってっていいっすかぁ~~~」

健「俺も俺もぉぉ~~~~」

直「好きにしろw

「じゃあ毛布持ってくるわね♡」



彼女は俺たちに毛布をかけてくれて、そのまま直人さんに連れられ、寝室へと消えていった。



すぐさまいびきをかいて眠りに落ちたのは健ちゃんと岩ちゃん。



俺も結構飲んだけど、そこまでベロベロじゃない。


帰るのが面倒臭いから泊めてもらうけど。



隆「なぁ臣……

臣「んー?」

隆「直人さんたち寝たかなぁ?」

臣「さぁ?ヤッてんじゃね?w

隆「……////

臣「なに想像してんだよw

隆「だって、奥の寝室……少しだけドア、開いてる。」

臣「え、マジ?」



起き上がって首を伸ばせば、本当に少し開いている。



臣「覗いてくれって言ってんじゃね?w

隆「うん、声とか聞こえそうじゃない///

臣「行ってみる?w

隆「うん////



俺たちはゆっくりと立ち上がって、静かに寝室の方へと歩みを寄せた。



酔った勢い。


もしバレても笑って誤魔化しゃいいかw


って、それくらいの思いだった。



さすがに直人さんもマジギレはしねぇだろうし、なんてったって


あの綺麗な人がどんな風に男に抱かれるのか、どんな声で啼くのか、そっちの興味の方が勝ってしまったから。




細長い廊下。

足音を立てないように、ゆっくりゆっくり近付いて……


一番奥の寝室の扉から1メートル手前くらいで、もう二人の声が聞こえてきた。



向こうからは見えないだろうけど、こちらからは中の様子も見えてしまう。



俺と隆二は二人で足を止めて、息を殺した。



「ん……、直……っ、あ……、あぁ……っ」

直「すげぇ綺麗だよ、❀❀……



隆「うっわ、もうヤッてた!////

臣「シッ……!」



興奮する隆二の口をおさえて、二人で様子を窺う。



「んっんっ……、んんっ」

直「…………ぁっ」



わずかなドアの隙間から、興奮を抑えながら目を凝らす。


激しいキスを交わしながら、どんどん体勢が乱れていく二人。



「もっ来てっ、なっ!」

直「ぁッ……



直人さんが腰の動きを速めると、彼女の甘い啼き声はより一層大きくなる。



「あぁっ、あっ、……気持ちイイっ!なおっ!///



その声はひどく官能的で……



臣「……///



想像以上の光景と、彼女の甘い喘ぎに、当たり前のように反応してしまう身体。



隆「やべ、勃ちすぎていてぇ…///

臣「俺も……///



二人して勃起させて、何やってんだって思うけど


それでも見惚れてしまうくらい、直人さんの下で乱れる彼女は妖艶で、魅力的で、たまらない。



男の本能で思ってしまう。


俺も抱きたい、………って。



あんな綺麗な女を、あんな風に惑わせてみたい。



そして、柔らかそうなあの身体を


奥の奥まで感じたい。



隆「ちょっとごめん……、俺抜いてくる…///



そう言って隆二はトイレに向かったけど


俺は二人から目が離せなかった。



こんなチャンス、もうない。


少しでも見逃したくない。



彼女のあんな、エロい姿を。

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