魔怪探偵『ユート』
第4章 第四章:西洋人形
妻の明美に確認しても、変わりはなく、ただ寝ている間に地震かトラックが通過した際に起きた振動が原因だと結論づけていました。
ですが、この日にも同じことを聞きました。
舞美「えぇ~? でもちーちゃんがまたベッドの中にあったから舞美が寝ている時に部屋入ったんじゃないの?」
菅野「私も違うな・・・不思議な事があるものだな」
同じ現象が二回も起き、若干怪しく感じたが・・・大して意識に入れませんでした。
しかし、そこへ妻が……
明美「あら、おかしいわね…人形は昨日の朝に引き出しの中に仕舞っておいた筈なのに?」
結局はうむやむのまま、今回もまたこの問題を終わらせてしまいました。
そんな私達を嘲笑うかのように、“コレ”は着実に始めてきました。
二日後……
この日、家にいた妻から聞いた話です。
家事をしていた所へ電話が鳴り出し、やや急ぎ足で受話器を取ったそうです。
明美「はい、菅野です」
?「あ、もしもし。私、菅野舞美ちゃんの担当の小泉と申しますが……」
相手は小学校の担任の先生でした。
そして、彼女は妻に変な話をしてきたのです・・・
小泉「実は、今日学校で真奈ちゃんがランドセルから“玩具”を取り出すのを発見しましてね……学校としては必要の無い私物を持ってくることは禁止していたんです」
明美「それは……!? 申し訳ありません」
小泉「いえいえ、本人から聞くに故意ではないことが確認できてますからあまり重くお考えなさらなくても」
この時、妻はどうしてそう簡単に言えるのだろうかとふと疑問に感じたそうです。
ですから、試しに聞いてみると、意外な話を聞かされたのです。
小泉「舞美ちゃんがですね……『私知らないもん! ランドセルに入れてきた覚えないもん!!』って泣きながら訴えてたんですよ。その様子からして、どうやら“人形”を遊びで持ってきたのではないのは事実だと考えられて―――」
明美「…………」
小泉「菅野さん?」
妻は言葉を失い、力無いまま受話器を下に下ろしたそうです。
その後、そのまま無言で受話器を戻し、急いで私の携帯電話にかけてきたんです。
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