青の時間
第1章 叙情
すぐさまジャックは20メートルのダイニングを横切り、キッチンの電話に手をかけた。コールワン。はっとしてジャックはフックに戻した。「いけない。ここは太平洋のど真ん中だぞっ!」この頃のジャックは疲れ果てていた。何しろ9.11いらいアジアへのアメリカ軍の撤退が始まったばかりで、まだ2万人ものアメリカ兵がイラクに派兵されている。それもCIA
が血眼になって探していたオサマ:ビンラディンを黒いアフリカ系アメリカンの兵士の集団がオサマ:ビンラディンを殺してしまったのである。この報道は光と同じ速さで世界に報じられた。実際、アフガンにいたジャック本人もまるで足をすくわれたような気持ちになったのを覚えている。ビー。ジャックは心臓が止まるかと思った。電話のフック越しに聞こえるいつもの元気な声。
3