歌舞伎町キャバ嬢の嘘のような本当の話し
第2章 ツカサ
「俺みたいなまっとうな仕事してるやつが
キャバ嬢とつきあってたら、どんな目で見られるかくらい
お前にもわかるだろ。
いい思いさせてやったんだからお前も損してないじゃん」
まだ27、8で、年収もそこそこある
男にそう言われた時
私の存在意義がなくなった。
悔しくなかった。
悲しかったけど。
だって、本当のことだから。
結局はいつもそうだった。
家族もいつもお姉ちゃんばっかり可愛がってた。
大切にしてた。
私はいなくてもいい子だったんだって
ずっと思ってた。
高校卒業して、そのまんまキャバで働いて、
そこそこの給料もらって
いまさら昼職なんてできない。
その男にふられても、
昼職になる、っていう選択肢はなかった。
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