三毛猫は笑う
第2章 新マネージャー
入ってきたのは半袖半パンという軽装の男。
パッと見、ただのおじさんにしか見えないが、まぎれもなくH.Sが所属するミナミ芸能の社長、南 豊耀(みなみ ほうよう)である。
「よっ!!皆相変わらずカッコイイな!!俺の次にだがな!!はっはっはっ!!」
「そんなことより、社長。俺らなんで呼び出されたわけ?」
「俊介!」
社長にたいして軽口を叩く俊介に要は慌てて止めに入る。
「ん?おまえらに紹介したいやつがいてな!!カモン!!」
要の心配をよそに豊耀は気にとめておらず、パチリと指を鳴らした。すると、先程豊耀が入ってきたドアが再び開く。
入ってきたのは背が低めで、顔は可愛いとも綺麗ともとれる中性的な顔をした男だった。
一瞬皆が見惚れる。
豊耀はチラリと皆の様子を見るとわざとらしく咳ばらいをした。
「彼はおまえらの新マネージャー、河合 拓海(かわい たくみ)だ!!」
「は?石井はどうなんだよ?!」
聞き捨てならない内容に俊介がすぐさま反応を示す。
「もちろん、石井にも今まで通りおまえらのマネージャーをやってもらう!!河合ちゃんには見習いとして入ってもらう。なにしろ彼は新人だからな!!」
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