三毛猫は笑う
第2章 新マネージャー
要は拓海の前に立ちニコリと微笑んだ。
「本郷 要です。これからよろしくお願いします!!…拓海君て呼んでもいいかな?」
首を傾け拓海の顔色を伺う。そんな仕種がファンにはたまらなく可愛いと見えるらしい。
「どうぞ。好きなように呼んでください。」
薄く笑った拓海に要の頬は赤く染まり、嬉しそうに笑う。
次に拓海に近づいたのは実。
「えっらいべっぴんさんだよなタクちゃん。」
「タクちゃん…。」
「拓海君のあだ名。嫌だった?」
「いえ。可愛いらしいあだ名だなと。」
「ならよかった!!僕は沢田 実。よろしく、タクちゃん!!」
拓海の手を握りブンブン振る実。
「うおっ!!純ちゃん?!」
実の手を横から振り払った純也は、実の抗議を無視し拓海の前に立つ。
「如月 純也。よろしく。」
ポン、と拓海の頭に手をおく。
身長差のありすぎる二人。
「ちっさ。」
ぽつりと呟いた純也。拓海は一瞬だけ表情を歪ませる。
純也は片方の口角をあげて笑った。
「気にしてるんだ。」
「…してません。」
「ふっ。おいチビ。」
最後に話しかけてきた俊介は、自分が動くでもなく拓海を呼び寄せた。
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