マンション屋上の死角
第2章 2章 屋上に住む青年と
室内に 明かりはなく 6畳間ぐらいの 空間に
ポツリと 置かれた ノートパソコンの 部分的に 明るく照らしていた
眼が慣れてくると 置くに 寝袋が 転がっている
彼が 室内灯を 点けて 明るくして
若い男の 顔が見えた
「いつも ここに いるの?」
「ええ ほぼ毎日 暮らしてます
昼間は 寝ていることが 多いけど」
屈託のない 人のよさそうな 笑顔さえ 浮かべて
「じゃあ いつも 視ていたの?」
彼は 恥ずかしそうにさえ しながら 笑って頷いた
「エレベーターが 開くのが ここで 解りますから
誰か来たら パソコンの蓋閉じれば 部屋は真っ暗ですからね
夜は だいたい 明かりもつけずに ゲームやってるんですよ」
「心配要らないです 誰にも言いませんから
僕は 秘密は 守りますよ」
オナニーを 覗かれていたのは わかった
顔は 赤らんでいたと思う 俯いてしまう
恥ずかしかった
「でも なんなら お手伝い しましょうか?
僕で よかったら ですけど」
今度は にこりともせず 無表情に 私の眼を見て 言うから…
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