THE D-SIDER 1
第1章 STORY1「出会い」
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「あーあ、退屈だな」
そう、あの日はよく晴れた日だった。
津田明はいつものようにつまらない学校の授業を終えて、憂鬱な気分で家に帰ろうとしていた。
いつも通りに小学校に通い、いつも通り授業を受け、いつも通りに学校から帰る。
何気ない当たり前の日々に、飽き飽きしていたのである。
悶々とした思いを抱きながら、通学路である住宅街の裏道を歩く。
彼も、今は小学五年生。来年はもう六年生で中学受験とかそんな時期だ。
当然、良い学歴を持って欲しいという彼の両親は将来のためだと受験をさせようとする。
だが、明はそうではない。
自分には何ができるか、それが定まっていないからこそ敷かれたレールには乗りたいと思わないのである。
「大体さ、俺はまだ小学生だよ?それこそ、クラスの皆と同じ中学通って、楽しくすごしたいのに…」
そのきっかけが少年にふりかかったとき、この物語は始まる。
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