個人指導
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発行者:新菜
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ジャンル:恋愛
シリーズ:年の差恋

公開開始日:2015/11/12
最終更新日:2022/04/19 21:00

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個人指導 第19章 30点

(臣side)



臣「おら!とっとと帰れよーー!」

女「きゃははっ!はーーい♡」

女「ね、ね、それでさ~~、きゃははっ」

臣「……」



返事はいいのに、帰る気配ナシ。


女子高生ってなんでこう元気なのかねぇ。


おじさんにもその元気、分けてくれよ…ほんと。



臣「はぁ……」



事務室に戻ろうとすると…



女「登坂…先生…///」



後ろから呼び止められて…



臣「ん?」



振り返れば、顔を真っ赤にしてる生徒。



あーー……、


これ、あれだな。



女「先生のことが…好きです、///」



はい、やっぱり。


廊下の端に連れてくれば、顔を真っ赤にしながら、そんなこと言ってくれちゃって。



女「本当に…大好きで…、先生しか…見えないんです、///」

臣「……」



こうして告白してくる子、よくいるけど…


普通に可愛いな、って…思うけど…



女「せん…せい…///」



ごめんね…。


俺、アホと約束してるから。



臣「俺、彼女いるんだよね。」

女「…知って…ます…、」



あーあ、泣きそうになってる。


でも…

鬼になれって言われてるし…



臣「俺の彼女、すぐヤキモチ妬いて泣いちゃうんだよね…」

女「え…っ」

臣「俺が告白されるのも、ダメなんだって…w」

女「…っ」

臣「だから…ごめんね?」

女「…っ」



今にも泣き出しそうな女の子の頭に、ぽんと手を乗せて撫でてやると…



女「先生…っ!!!」

臣「うおっ!!」



いきなり抱きつかれた!



臣「ちょ、ダメだって!!」

女「一回でいいからギュってしてください!///」

臣「こらこら!だから…」


◇「こらーーーーー!!!!!」



俺の言葉を遮って聞こえてきた、アホの声。



女「…っ」



女の子はびっくりして俺から離れて…



◇「あんた!!塾に何しに来てんのよ!!ここは勉強する場所なのよ!!」



鬼のような形相で、走ってきた。



◇「勉強する気がないなら帰りなさいよ!!」

女「…ごめん…なさ…っ」

◇「登坂先生は彼女がいるって言ってんでしょ!迷惑かけるんじゃない!!」

女「ごめん…なさ…い…っ」

◇「早く帰れ!!!」

女「はいっ……」



◇の勢いに負けて、女の子は走って逃げていった。



臣「ぶくくくくww」



俺が腹を抱えて笑ってると…



ドカッッ!!!



臣「いてぇ!!」



後ろからケツに膝蹴り食らった。



臣「何すんだよ!!」

◇「何笑ってんの!!」

臣「鬼ババアみたいな奴、来たなと思って…w」

◇「誰がババアよ!!私はピチピチの女子高生です!!」

臣「はいはい…ww」

◇「むぅぅぅ!!」



やばいやばい、これ以上怒らせるとやばいww



◇「今のは30点!!!」

臣「は…?w」

◇「断り方!!!」

臣「ああ…w」



なんで点数つけられてんの…w



◇「この間言ったでしょ!」

臣「……」

◇「もっと厳しく断わんなきゃ、ダメなの!」

臣「……」

◇「何頭なでなでとかしてんの?信じらんない…っ!」

臣「……」



ほっぺが爆発しそうなくらい、膨らんでる。


こいつ、最初っから見てやがったな…w



臣「だって…なんかすげぇ必死な感じしたし…かわいそうじゃん?」

◇「はぁ?!!!」



やべ…っ、こわ…っww



◇「そんな無駄な優しさ見せたりするから、ああやって抱きつかれるんでしょ?!」

臣「……まぁ…、確かに…」

◇「ばかっっっ!!!」



あーあ、ほんとに怒っちゃったw



臣「……で、お前はどこまでついてくんの?w」



事務室の中までついてきて、ハッとして俺を見た。


まぁ、もう俺以外…誰もいないんだけどね。



◇「あれ、先生…だけ…?」

臣「うん。」



今週は講師の半分が地方に行ってて…


その分仕事が多くて大変なのに

岩田は風邪だとか言って休みやがるし…



◇「今日は…送って…くれる…?」



あ、急に甘えた声。



臣「送ってやりてぇけど、今日はまだ仕事あるから無理。帰れ。」

◇「…っ」



テストの採点、腐るほど残ってるし。



臣「はぁ…」



疲れたなーーー



テキストを片付けて、デスクに座ると…



◇「……お疲れ様。」



後ろに回ってきた◇が、肩を揉んでくれた。



臣「気が効くじゃんw」

◇「気持ちいい…?」

臣「うん。」

◇「へへ、良かった…♡」

臣「でも…遅くなったら危ないから、早く帰れ。」

◇「ん、…もう少しだけ…」

臣「……」

◇「先生のために…何かしたいんだもん…」

臣「……」



こういうとこ、可愛いよね、こいつ。


だんだん外も静かになって…



臣「ん、ありがと。もういいから早く帰れ。」



俺がそう言うと…



◇「……」



少し寂しそうに、俺の顔を覗いてきた。



臣「…なんで…んな顔してんの。」



◇の腕を引いて、ほっぺを撫でると、下唇を噛んで…もじもじしてる。



◇「先生も…なんでそんな顔…してるの…?」

臣「へ…?」



そんな顔って…?



◇「そんな…甘くて…優しい…顔…」

臣「は…?///」



俺がいつ、そんな顔したよ。



◇「せん…せ…い」



俺の真似をして、俺の頬を撫でてきた。



◇「大好き…だよ…?//」

臣「……」



一緒に帰れないから…寂しいのか?



臣「俺も…好きだよ?」



そう言って、頬を包んだまま、耳たぶを撫でた。



◇「……///」



◇はまた少しもじもじしながら…



◇「そんな優しい顔で…言わないで、///」



そう言って、俯いた。



臣「……」



なんなんだよ、可愛いな…



◇「帰りたく…なくなっちゃう…///」



そう言って、俺の手をキュッと握った。



臣「……///」



そんなこと言われたら、俺だって帰したくなくなるんですけど。



さっきまで俺に膝蹴り食らわしてた奴とは思えないほど、しおらしくて可愛い。


なんなんだよ、ほんとにもう。



臣「はぁ…、」



さらに手を引いて、俺の足の間に、引き寄せた。



◇「…っ」



そのままぎゅっと抱きしめると、


◇は俺の頭を抱え込むように…抱きしめ返してきた。



◇「先生……、」

臣「……」



採点…、持って帰ろっかな…


そしたらこいつ、送ってやれるし。



でも…

今車に乗せたら、俺…我慢できるかな…



なんて、俺がもやもや考えてたら…



きゅるるる……



俺が顔を埋めてる、◇の腹が鳴った。



臣「ぶっwww」

◇「う…っ///」

臣「腹減ってんのかよ!w」

◇「だって!///」



一気に現実に戻った。



臣「ほら、もう帰れw  帰って飯食えw」



俺も仕事やっちゃお。



◇「やだ!」

臣「はぁ?!」

◇「帰んない…もん…///」

臣「また腹鳴るぞ。」

◇「ひどい!w」

臣「いいから帰れ。」

◇「やだ。」

臣「……」



こう言い出すと、言うこと聞かないんだよね~こいつ。



臣「じゃあ…施錠確認してきて。」

◇「はーーい!」



あーあ、嬉しそうな顔しちゃって。


仕方ねぇ。


家で仕事しよ。


これとこれは持って帰って…、


あ、ダメだ。

これは今やっちゃわねーと。


あとは、これと…



◇「施錠確認、終わりましたー!♡」

臣「ん、ご苦労。帰っていいぞ。」

◇「えーーー!!」



…って、なるよねw



臣「いや…今…仕事仕分けしてたんだけど…」

◇「うん。」

臣「やっぱり帰れそうにないわ。俺、残業。」

◇「……」



あ、拗ねて口尖らせてる。



◇「遅くなっても…いいもん…」

臣「……」

◇「待ってちゃ…だめ?」

臣「……」



ほんと甘え上手だよなーー


その顔、ずるい。



臣「ダメ。」

◇「なん…で…?」

臣「ムラムラして、集中できないから。」

◇「…っ」



なんて思わず本音を零したのが、失敗だった。



◇「ムラムラ…する…の?///」

臣「…っ」



その表情を見て、スイッチを入れちゃったことに気付いても、もう遅い。



◇「ね、先生…、///」

臣「……」

◇「私、いたら…ムラムラ…するの…?」

臣「……///」



完全に、誘惑モード。


俺にすり寄ってきて、目ぇウルウルさせてるし。



__ガタン。



臣「そ!だから帰れ。」



俺が立ち上がると…



◇「……や、だ…///」



俺の腕にぴとっとくっついて…



◇「じゃあ…ちゃんと帰るから…」



甘い声でそう言うと…

制服のリボンを自分でほどいた。



◇「ね…?///」

臣「////」



ちゃんと帰るから、その前に抱いてくれってこと?



◇「ん……♡」



俺の首に腕を回して、身体を密着させてくる。



目を細めながら、近付けてきた唇が


ゆっくり柔らかく、重なれば…



__ガタン、




俺だって、スイッチが入る。




◇を半分デスクに座らせたような形で…


キスはどんどん深くなって…



仕事の疲れも忘れるくらい、


その甘い口内を、夢中で味わう。



◇「…ん…っ………、ふ…っ……」



小さな舌を絡め取って…


離れては、吸い付いて…



◇「ん…んっ…、っ///」



俺のキスに感じて、◇の力が抜けていくのがわかるから…



デスクについていた手を、そっと腰に回して、支えてやる。



◇「…は…、…ぁっ……」



口元を濡らしながら、息継ぎをする◇は…


俺の胸元をきゅっと握りながら



◇「……///」



「もっと、」と言いたげに、俺を小さく見上げる。



◇「んっ、/// …ふ……っぅ…!」



勢いよく、その唇をまた塞いでやると…



◇「んぅ…、ん…っ、」



甘い声を漏らしながら、必死に俺に応える。



ああ…すげぇ気持ちぃ…



こいつ、絶対もう濡れてんだろ…



それを確かめようと、スカートの中を手のひらで這い上がれば…



◇「ん…ぅ、だ…め…、///」



◇の手がそれを止めた。

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