(臣side)
臣「おら!とっとと帰れよーー!」
女「きゃははっ!はーーい♡」
女「ね、ね、それでさ~~、きゃははっ」
臣「……」
返事はいいのに、帰る気配ナシ。
女子高生ってなんでこう元気なのかねぇ。
おじさんにもその元気、分けてくれよ…ほんと。
臣「はぁ……」
事務室に戻ろうとすると…
女「登坂…先生…///」
後ろから呼び止められて…
臣「ん?」
振り返れば、顔を真っ赤にしてる生徒。
あーー……、
これ、あれだな。
女「先生のことが…好きです、///」
はい、やっぱり。
廊下の端に連れてくれば、顔を真っ赤にしながら、そんなこと言ってくれちゃって。
女「本当に…大好きで…、先生しか…見えないんです、///」
臣「……」
こうして告白してくる子、よくいるけど…
普通に可愛いな、って…思うけど…
女「せん…せい…///」
ごめんね…。
俺、アホと約束してるから。
臣「俺、彼女いるんだよね。」
女「…知って…ます…、」
あーあ、泣きそうになってる。
でも…
鬼になれって言われてるし…
臣「俺の彼女、すぐヤキモチ妬いて泣いちゃうんだよね…」
女「え…っ」
臣「俺が告白されるのも、ダメなんだって…w」
女「…っ」
臣「だから…ごめんね?」
女「…っ」
今にも泣き出しそうな女の子の頭に、ぽんと手を乗せて撫でてやると…
女「先生…っ!!!」
臣「うおっ!!」
いきなり抱きつかれた!
臣「ちょ、ダメだって!!」
女「一回でいいからギュってしてください!///」
臣「こらこら!だから…」
◇「こらーーーーー!!!!!」
俺の言葉を遮って聞こえてきた、アホの声。
女「…っ」
女の子はびっくりして俺から離れて…
◇「あんた!!塾に何しに来てんのよ!!ここは勉強する場所なのよ!!」
鬼のような形相で、走ってきた。
◇「勉強する気がないなら帰りなさいよ!!」
女「…ごめん…なさ…っ」
◇「登坂先生は彼女がいるって言ってんでしょ!迷惑かけるんじゃない!!」
女「ごめん…なさ…い…っ」
◇「早く帰れ!!!」
女「はいっ……」
◇の勢いに負けて、女の子は走って逃げていった。
臣「ぶくくくくww」
俺が腹を抱えて笑ってると…
ドカッッ!!!
臣「いてぇ!!」
後ろからケツに膝蹴り食らった。
臣「何すんだよ!!」
◇「何笑ってんの!!」
臣「鬼ババアみたいな奴、来たなと思って…w」
◇「誰がババアよ!!私はピチピチの女子高生です!!」
臣「はいはい…ww」
◇「むぅぅぅ!!」
やばいやばい、これ以上怒らせるとやばいww
◇「今のは30点!!!」
臣「は…?w」
◇「断り方!!!」
臣「ああ…w」
なんで点数つけられてんの…w
◇「この間言ったでしょ!」
臣「……」
◇「もっと厳しく断わんなきゃ、ダメなの!」
臣「……」
◇「何頭なでなでとかしてんの?信じらんない…っ!」
臣「……」
ほっぺが爆発しそうなくらい、膨らんでる。
こいつ、最初っから見てやがったな…w
臣「だって…なんかすげぇ必死な感じしたし…かわいそうじゃん?」
◇「はぁ?!!!」
やべ…っ、こわ…っww
◇「そんな無駄な優しさ見せたりするから、ああやって抱きつかれるんでしょ?!」
臣「……まぁ…、確かに…」
◇「ばかっっっ!!!」
あーあ、ほんとに怒っちゃったw
臣「……で、お前はどこまでついてくんの?w」
事務室の中までついてきて、ハッとして俺を見た。
まぁ、もう俺以外…誰もいないんだけどね。
◇「あれ、先生…だけ…?」
臣「うん。」
今週は講師の半分が地方に行ってて…
その分仕事が多くて大変なのに
岩田は風邪だとか言って休みやがるし…
◇「今日は…送って…くれる…?」
あ、急に甘えた声。
臣「送ってやりてぇけど、今日はまだ仕事あるから無理。帰れ。」
◇「…っ」
テストの採点、腐るほど残ってるし。
臣「はぁ…」
疲れたなーーー
テキストを片付けて、デスクに座ると…
◇「……お疲れ様。」
後ろに回ってきた◇が、肩を揉んでくれた。
臣「気が効くじゃんw」
◇「気持ちいい…?」
臣「うん。」
◇「へへ、良かった…♡」
臣「でも…遅くなったら危ないから、早く帰れ。」
◇「ん、…もう少しだけ…」
臣「……」
◇「先生のために…何かしたいんだもん…」
臣「……」
こういうとこ、可愛いよね、こいつ。
だんだん外も静かになって…
臣「ん、ありがと。もういいから早く帰れ。」
俺がそう言うと…
◇「……」
少し寂しそうに、俺の顔を覗いてきた。
臣「…なんで…んな顔してんの。」
◇の腕を引いて、ほっぺを撫でると、下唇を噛んで…もじもじしてる。
◇「先生も…なんでそんな顔…してるの…?」
臣「へ…?」
そんな顔って…?
◇「そんな…甘くて…優しい…顔…」
臣「は…?///」
俺がいつ、そんな顔したよ。
◇「せん…せ…い」
俺の真似をして、俺の頬を撫でてきた。
◇「大好き…だよ…?//」
臣「……」
一緒に帰れないから…寂しいのか?
臣「俺も…好きだよ?」
そう言って、頬を包んだまま、耳たぶを撫でた。
◇「……///」
◇はまた少しもじもじしながら…
◇「そんな優しい顔で…言わないで、///」
そう言って、俯いた。
臣「……」
なんなんだよ、可愛いな…
◇「帰りたく…なくなっちゃう…///」
そう言って、俺の手をキュッと握った。
臣「……///」
そんなこと言われたら、俺だって帰したくなくなるんですけど。
さっきまで俺に膝蹴り食らわしてた奴とは思えないほど、しおらしくて可愛い。
なんなんだよ、ほんとにもう。
臣「はぁ…、」
さらに手を引いて、俺の足の間に、引き寄せた。
◇「…っ」
そのままぎゅっと抱きしめると、
◇は俺の頭を抱え込むように…抱きしめ返してきた。
◇「先生……、」
臣「……」
採点…、持って帰ろっかな…
そしたらこいつ、送ってやれるし。
でも…
今車に乗せたら、俺…我慢できるかな…
なんて、俺がもやもや考えてたら…
きゅるるる……
俺が顔を埋めてる、◇の腹が鳴った。
臣「ぶっwww」
◇「う…っ///」
臣「腹減ってんのかよ!w」
◇「だって!///」
一気に現実に戻った。
臣「ほら、もう帰れw 帰って飯食えw」
俺も仕事やっちゃお。
◇「やだ!」
臣「はぁ?!」
◇「帰んない…もん…///」
臣「また腹鳴るぞ。」
◇「ひどい!w」
臣「いいから帰れ。」
◇「やだ。」
臣「……」
こう言い出すと、言うこと聞かないんだよね~こいつ。
臣「じゃあ…施錠確認してきて。」
◇「はーーい!」
あーあ、嬉しそうな顔しちゃって。
仕方ねぇ。
家で仕事しよ。
これとこれは持って帰って…、
あ、ダメだ。
これは今やっちゃわねーと。
あとは、これと…
◇「施錠確認、終わりましたー!♡」
臣「ん、ご苦労。帰っていいぞ。」
◇「えーーー!!」
…って、なるよねw
臣「いや…今…仕事仕分けしてたんだけど…」
◇「うん。」
臣「やっぱり帰れそうにないわ。俺、残業。」
◇「……」
あ、拗ねて口尖らせてる。
◇「遅くなっても…いいもん…」
臣「……」
◇「待ってちゃ…だめ?」
臣「……」
ほんと甘え上手だよなーー
その顔、ずるい。
臣「ダメ。」
◇「なん…で…?」
臣「ムラムラして、集中できないから。」
◇「…っ」
なんて思わず本音を零したのが、失敗だった。
◇「ムラムラ…する…の?///」
臣「…っ」
その表情を見て、スイッチを入れちゃったことに気付いても、もう遅い。
◇「ね、先生…、///」
臣「……」
◇「私、いたら…ムラムラ…するの…?」
臣「……///」
完全に、誘惑モード。
俺にすり寄ってきて、目ぇウルウルさせてるし。
__ガタン。
臣「そ!だから帰れ。」
俺が立ち上がると…
◇「……や、だ…///」
俺の腕にぴとっとくっついて…
◇「じゃあ…ちゃんと帰るから…」
甘い声でそう言うと…
制服のリボンを自分でほどいた。
◇「ね…?///」
臣「////」
ちゃんと帰るから、その前に抱いてくれってこと?
◇「ん……♡」
俺の首に腕を回して、身体を密着させてくる。
目を細めながら、近付けてきた唇が
ゆっくり柔らかく、重なれば…
__ガタン、
俺だって、スイッチが入る。
◇を半分デスクに座らせたような形で…
キスはどんどん深くなって…
仕事の疲れも忘れるくらい、
その甘い口内を、夢中で味わう。
◇「…ん…っ………、ふ…っ……」
小さな舌を絡め取って…
離れては、吸い付いて…
◇「ん…んっ…、っ///」
俺のキスに感じて、◇の力が抜けていくのがわかるから…
デスクについていた手を、そっと腰に回して、支えてやる。
◇「…は…、…ぁっ……」
口元を濡らしながら、息継ぎをする◇は…
俺の胸元をきゅっと握りながら
◇「……///」
「もっと、」と言いたげに、俺を小さく見上げる。
◇「んっ、/// …ふ……っぅ…!」
勢いよく、その唇をまた塞いでやると…
◇「んぅ…、ん…っ、」
甘い声を漏らしながら、必死に俺に応える。
ああ…すげぇ気持ちぃ…
こいつ、絶対もう濡れてんだろ…
それを確かめようと、スカートの中を手のひらで這い上がれば…
◇「ん…ぅ、だ…め…、///」
◇の手がそれを止めた。