朝も…夜も…
朝も…夜も…
完結
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発行者:新菜
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ジャンル:恋愛
シリーズ:オフィスシリーズ

公開開始日:2017/05/02
最終更新日:---

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朝も…夜も… 第1章 【岩】昨夜の余韻

「連絡して。 080-××××-×××× 岩田」



昨夜デスクに残されていた、岩田さんのメモ。



❀「////」



連絡して、って…書いてあるけど…


連絡…、したいけど…



……やっぱりできないよ///



だって…

一昨日はオフィスであんなことになって…


昨日は資料室であんなことになって…



❀「////」



恥ずかしくて、岩田さんと顔を合わせられない。

どうしよう…



なんて、思ってたら



岩「おはようございます。」



今日も爽やかな笑顔で出社してきた、憧れの王子様。


目が合って、慌てたように下を向く私。



……不自然すぎたかな?///



岩田さんにもらったメモは手帳にはさんで

バッグにしまった。



やっぱり…無理だよ。


ドキドキして…



「暑いから…こんな濡れてるの…?」



思い出すのは、昨日の色っぽい岩田さんの声。



「まだ溢れてくるよ…?」



岩田さんの指は、いくらでも私を翻弄して…


私の身体は、熱く熱く、昇り詰めた。



「抱き上げていい?」



そう言って私を抱える岩田さんの腕は

すごく男らしくて…


汗だくの二人の身体はそのまま熱く…熱く…



❀「////」



ダメ、思い出したりしたら…


また、、、



男「◇さん、おはよう!……あれ?顔赤いけど大丈夫?」

❀「…っ」



ある意味、大丈夫じゃないです…//



男「やっぱり昨日から調子悪いんじゃない?」

女「熱あるの?」

❀「あ、ううんっ///」



岩田さんとのエッチを思い出して

朝からこんな身体を火照らせてるなんて

恥ずかしすぎて…



男「やっぱり休んだ方が…」

❀「いえっ!!元気です!!」

女「無理しちゃダメよ?」

❀「大丈夫、ありがとう!//」



ダメ。

仕事中は岩田さんのことを忘れよう。


少しでも考えちゃうと、仕事にならなくなっちゃう。



主「お、❀❀さん、ありがとうな、資料。」

❀「えっ…」



あ、昨日頼まれてた23冊。


でもそれは…



思わず岩田さんの方に目線を向けると

私に向かって「シーッ」って人差し指を立てて

右目でウインクされた。



❀「////」



ドキドキ、胸がまた騒ぐ。



主「こんなにたくさん、重かったろう?」

❀「あ、いえ…、えっと…」



岩田さんが全部運んでくれたけど…

「シーッ」って言われちゃったから…



❀「…はい……//」



私は小さく頷いた。



男「もう主任~~~!❀❀さんに力仕事なんてダメですよ~」

女「体調もあまり良くないみたいなんで。」

主「なにっ!そうなのか?大丈夫か?」

❀「全然大丈夫です!!」

主「じゃあ追加で頼みたかった分は他の奴に…」

❀「追加ですか?!私が行きますっ!!」



主任が持っていた本のリストメモを強引に受け取って、私はオフィスを出た。



❀「……はぁ…//」



岩田さんに…


ウインクされちゃった。



❀「////」



それは…

昨日のあの出来事は、二人だけの秘密だよ、


ってことですか…?



ドキドキ…


ドキドキ…



落ち着かない胸をおさえて、今日も資料室のドアを開ける。



❀「あ、朝だと少しだけ涼しいかも…」



昨日岩田さんと抱き合ったこの部屋。



あの時は、二人の身体は汗だくで


熱くて熱くて、おかしくなりそうだった。



❀「……」



ここの、棚。


ここで岩田さんが…ジャケットを脱いで…



ここで…私の脚を持ち上げて…



❀「////」



ダメ、思い出しちゃうよ。


仕事中は考えちゃダメなの。



岩田さんの指の動きや…

熱い体温や…


そういうのを思い出すと、私…ダメになっちゃうから…



❀「……は…ぁ…//」



ああ…


シたくなっちゃう。


ダメなのに。



ダメって、わかってるのに…


身体が…疼くの。



我慢…出来なく…なっちゃう……



❀「岩田…さん…//」



小さく名前を呼んで、スカートへと手を伸ばしたその時だった。



__ガチャッ



❀「!!!」



私は慌ててスカートを元に戻す。



開いたドアから顔をのぞかせたのは…



❀「……岩田…さん…」



どう…して…?



……バタン。ガチャッ。



岩「……」

❀「……」



言葉もなく、見つめ合う瞳。


しばらくすると岩田さんが、ふわりと笑った。



岩「どうしてまた力仕事、引き受けちゃうの?w」



そう言って私に近づいてきて…


岩田さんが一歩一歩、私の方に来るたびに


胸がドキン、ドキン、と…音を立てる。



岩「ほら、貸して。俺がやるから。」

❀「あ…っ」



岩田さんに見とれてる間に、岩田さんの綺麗な指が、私の手元からメモをするりと引き抜いていった。



岩「……朝だと、昨夜より涼しいね、ココ。」

❀「……」



同じこと、私も思いました。


思って…それで…


昨夜のことを一人で…思い出して…



岩「どうしたの?ボーッとして…」

❀「…っ」



その声で我に返って、岩田さんを見つめる。



❀「……」

岩「……」



どうして岩田さんは…そんなに普通なんですか…?


私はこんなに…



岩「そんな目で見られたら…思い出しちゃうからやめて?」

❀「え…っ」



思い出しちゃうって…



岩「昨夜のこと。」

❀「…っ」



その言葉に、顔がカァッと熱くなるのが自分でもわかった。



岩「…どうして…」



岩田さんはそう言いかけて、視線を本棚へ移した。

手元のメモを見ながら、本を一つ一つ集めていく。



岩「どうして…連絡してくれなかったの?」

❀「…っ」



あの携帯番号の…ことだよね…?



だって…

ドキドキして…


あのメモとにらめっこしたまま

全然眠れませんでした///



岩「ずっと待ってたんだけどな、俺…」



え…っ



岩「もしかして、俺……」



岩田さんの視線が、また私に戻ってくる。



岩「嫌われちゃった…?❀❀さんに……」

❀「えっ…!」



そんなありえもしない言葉に、私は全力で首を振って否定した。



❀「岩田さんのこと…っ、嫌いなんて…っ」



思わず岩田さんのジャケットを掴むと…

岩田さんの綺麗な指が…

私の指に、そっと絡んだ。



岩「こういう可愛いこと…、しないで…」

❀「……っ」



絡み合う指先は、そのまま繋がれて…

二人の距離は、グンと近くなる。



岩「俺、さ…、仕事中なのに…、何度もダメだって思うのに…、すぐ❀❀さんで頭がいっぱいになっちゃうんだよ……」



え…、それって……



岩「だから…、さ?」



岩田さんのもう片方の手が、そっと私の頬に触れた。



岩「こんな風に近い距離に来られると…、いろいろ思い出したりなんだりで…、俺…おかしくなりそうだから…」



私の頬を少しだけ撫でた岩田さんの手のひらは、そのまま握り拳になって自分のおでこをコンコンって叩いた。



岩「……自分で手伝いにきたくせに…何言ってんだろな、俺…」



そう言ってくるっと背中を向けられた。



岩「ごめん、忘れて…」



そう言った岩田さんの耳は…少しだけ赤くて…



❀「////」



ドキン…

ドキン…



ダメ、我慢…できなくなっちゃう…


触れたく、なっちゃう……



❀「岩田…さん…//」



後ろからもう一度、ジャケットの裾を掴んだ。



❀「……私も…一緒…なんです…//」



岩田さんがこっちを見てないから、少しなら素直に言える。



❀「岩田さんの近くにいると…ドキドキ…して…」



ほら、今だって。


こんなに心臓が…



❀「仕事中は考えないようにしようって、何度思っても…」



そんなの、無理なの。



❀「岩田さんのこと…思い出しちゃうと…」



身体が熱くなって、ドキドキが止まらなくて…



❀「私、どこか…おかしいのかな…//」



言ってて恥ずかしくなってくる。


でも本当なの。



私の言葉に何も言ってくれない岩田さんに、少し寂しくなって…



❀「ね……、、」



もう一度ジャケットをクイッと摘んだ。



❀「こっち…、向いて…?//」



私のその言葉に、ゆっくりこっちを向いてくれた岩田さんは…


その表情を確かめる間もなく…



❀「きゃっ…///」



私をぎゅっと、抱きしめた。

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