スレッド > 注目社台生産2歳勝利馬診断
シルヴァンシャー(牡)
9月10日 阪神5R
メイクデビュー阪神 芝2000m
時計:2:04.1(良)
騎手:デムーロ
厩舎:池江
父:ディープインパクト
母:アゼリ(母父:Jade Hunter)
主な兄弟馬:ロイカバード、アメリ、アドマイヤアゼリ
馬主:(有)サンデーレーシング
生産:ノーザンファーム
【回顧】
ややトモを落とすようなスタートになったことから2、3馬身ほど遅れたが、
序盤は慌てずに最後方を追走。道中も前がスローペースで運ぶ中、
じっくりと後方に構えて末脚を温存。3コーナーを過ぎて馬群が凝縮されると、
外を通って進出を開始して中団へ。残り600m付近で早くも鞍上の手が動き始めたため、
不安を抱かせたが、直線も勢い良く伸びて前の各馬を差し切ったとN氏。
勝ちタイムは2:04.1。昨年の同じ日に行われた新馬戦(2着はスワーヴリチャード)に
比べると1秒近く遅いが、これは逃げた馬のペースが遅かったためであり、
気にすることではないだろうとN氏。自身は正味2ハロンだけの競馬になったレースを、
他馬より早めに動いて勝っている。
外を回ったコースロスも考えれば着差以上の内容だったと言える。
ただ、こうした一方でそれほど凄みを感じなかったのも事実。
とはいえ、余裕残しと思われる仕上げを見るともっと切れる脚を使えるはずで、
今後の成長次第では十分にクラシックも見えてくる。
厩舎は先週の開催を終えて全国リーディングを独走する池江厩舎。
毎年のように良血馬が集まる厩舎のひとつで、先週は本馬を含めた3頭が新馬勝ちを飾っている。
本馬のオーナーであるサンデーレーシングとのコンビでも三冠馬オルフェーヴルや
その兄ドリームジャーニーで多くのG1を制したほか、今春の皐月賞もアルアインで制している。
父が元調教師の池江泰寿氏という恵まれた環境があったにしても、
これほどの成績を残すことは容易なことではなく、それ故に多数の有力馬が預けられている。
騎手の起用に関しては川田騎手が圧倒的に最も多く、
過去1年で2番目に多い秋山騎手の倍となる64鞍に騎乗している一方、
サトノダイヤモンドとのコンビで印象深いルメール騎手やデムーロ騎手の起用はそれほど多くない。
そういった意味では、本馬に関しても川田騎手を起用する可能性はあったと思うが、
先週末は川田騎手とルメール騎手がフランスで騎乗していたため、
デムーロ騎手が騎乗することになったと思われる状況。
早々にデビュー日が決まっていた経緯から想像するに、オーナーサイドが予め
確保していたということ
ちなみにデムーロ騎手はJRAの免許を取得した2015年3月以降、
池江厩舎の管理馬に45回騎乗して9勝。勝率20%、複勝率53.3%という数字を残しているが、
これを2歳戦に限定すると勝率30%、複勝率80%まで上昇する。
同期間の川田騎手やルメール騎手以上の成績であることからして、
厩舎としてもクラシックを目指すような有力馬には大一番に強いデムーロ騎手を起用
したいという意向があるのだろうとN氏。
ノームコア(牝)
9月9日 中山9R
アスター賞 芝1600m
時計:1:35.1(良)
騎手:北村宏司
厩舎:萩原(美浦)
【プロフィール】
父:ハービンジャー
母:クロノロジスト(母父:クロフネ)
主な兄弟馬:ハピネスダンサー、ナオミノユメ、クロノスタシス
馬主:池谷誠一
生産:ノーザンファーム
【回顧】
まずまずのスタートを切り、デビュー戦と同様に2番手へ。
初戦は速い流れを追ったため、折り合い面が気になるところだったが、
掛かるようなことはなく、道中は逃げるクレバーバードを前に見ながら進めた。
その後、3コーナー過ぎで先頭に並びかけ、4角手前でスパートを開始。
坂下で先頭に立つと、そのまま後続を寄せ付けず2連勝を飾ったとT氏
1:35.1という勝ちタイムは、ディバインコードが勝った昨年のこのレースに比べて
コンマ5秒速いが、同日の2歳未勝利戦で1:34.4というタイムが出ていたことを思うと、
強調するものではない。
今年の中山開幕週は全体的に時計が速かったことを忘れてはいけない。
ただ、こうした中でもラストの2ハロンを11.1秒-11.0秒でまとめた点は評価できる。
確かに前半の半マイル通過が49.1秒というスローペースで、上がりの競馬になったことも
要因にあると思うが、完成前の2歳馬が直線に急坂のある中山でマークしたものとしては優秀。
最後は流していたとはいえ、2年前のこのレースの覇者メジャーエンブレムでさえ、
上がりの2ハロンは11.3秒-11.3秒というタイムだったことから非凡
管理する萩原厩舎は、今季ここまで中央で18勝(10日時点)を挙げて関東リーディング11位。
昨年も31勝を挙げて同10位に入るなど、関東では上位に名を連ねる厩舎。
本馬のオーナーである池谷誠一氏が所有する中央所属馬を多数管理する厩舎でもあり、
昨年は同オーナーが所有するアデイインザライフで新潟記念を制した。
騎手の起用に関しては戸崎騎手やルメール騎手、石川騎手が多く、
横山典騎手と北村騎手がこれに続く。
これは池谷オーナーの所有馬についても同じで、直近の1年ではルメール騎手と石川騎手が
それぞれ6回で最も多いが、両者の成績は対照的。
ルメール騎手が1勝を除く5鞍全てで5着以下に敗れているのに対し、
石川騎手は6鞍全てで掲示板を確保して2勝をマークしているのである。
しかも、特筆すべきはその全てが3番人気以下の馬であったこと
実際、本馬もデビュー戦では石川騎手が騎乗し、3番人気で勝利している。
今回は石川騎手が療養中ということもあって北村騎手とコンビを組んだと思われるが、
次走以降、再度コンビを組むようであれば注意したいとT氏。