トゥラヴェスーラ(牡)
11月3日 京都7R
メイクデビュー京都 芝1600m
時計:1:35.4(良)
騎手:川田将雅
厩舎:高橋康之(栗東)
【プロフィール】
父:ドリームジャーニー
母:ジャジャマーチャン(母父:アドマイヤコジーン)
馬主:吉田照哉
生産:社台ファーム
【レース回顧】
スタートはまずまずだったが、二の脚が速く前へ。、2ハロン過ぎからはハナに立ってレースを引っ張った。
半マイルの通過が48.3秒と、この条件の新馬戦にしては淀みのないペースで流れたが、
本馬の手応えは非常に良く、2馬身ほどのリードを保ったまま直線へ。
軽く仕掛けられるとアッサリ後続との差を広げ、余裕十分に逃げ切った。
勝ちタイム1:35.4は、2歳の新馬戦としては速い部類に入るもの。
決して楽な流れではなかったと思うが、そのタイムを楽々と叩きだしたのだから、
本馬のスピード能力とその持続力には目を見張るものがあると言える。
最後の1ハロンは12.0秒かかっているが、これはほとんど追っていないため。
直線はノーステッキだったことから、さらに時計は詰められると見るべき。
本馬は幅広い距離で活躍したドリームジャーニーの産駒になるが、
母系や走方を見る限り短距離に適性がありそう。
今回は初戦ということもあってマイルもこなせたが、今後、さらに前向きな面が出てくるようであれば
マイルも長いということになるかもしれない。
管理するのは2012年に調教師免許を取得したばかりの栗東・高橋康之調教師。
開業から日も浅いこともあって勝ち星は6日時点で9勝だが、着実に勝ち星を積み重ねており、
今後さらなる飛躍に期待がかかる。
騎手の起用に関しては、川須騎手、中谷騎手、幸騎手の3名が直近の1年で20鞍以上に騎乗していて、
騎乗数上位となっている。一方、今回騎乗した川田騎手はこれが3度目の起用。
これまでの2戦はいずれも敗れており、この厩舎での勝利は2015年9月以来となった。
過去を振り返ってもこれまで17回しか騎乗しておらず、厩舎との関係性が強いとは思えない。
今回の騎乗に関しては、同じ日にJBC競走が行われた関係で有力騎手が不在だったため、
白羽の矢が立ったと考えるべき。
ベルーガ(牝)
11月3日 京都11R
ファンタジーS(G3) 芝1400m
時計:1:22.9(良)
騎手:C.デムーロ
厩舎:中内田充正(栗東)
【プロフィール】
父:キンシャサノキセキ
母:アドマイヤライト(母父:Kris S.)
主な兄弟馬:プロフェッショナル、ヴィヴィッドカラー、グリントオブライト
馬主:R.アンダーソン
生産:ノーザンファーム
【レース回顧】
五分のスタートを切ったが、すぐさま控えて後方へ。
内から迫ってきた馬に対して驚いたのか外へ逃げるような場面があったが、それ以外に特に気になるようなシーンはなく、
序盤は後ろから4頭目の外目のポジションで脚を溜めた。
その後、残り600m付近から徐々に加速すると、直線では大外へ。
鞍上の力強いアクションに応えてグイグイと脚を伸ばすと、ゴール前で2着馬を捉えた。
勝ちタイム1:22.9は、2008年の1:23.7に次いで2番目に遅いタイム。
前週まで道悪での開催が続いた影響も少なからずあったかもしれないが、
同日の同条件の新馬戦が1:23.4なのだから、やはり時計的には物足りない。
ただ、本馬に関しては1200m戦からの距離延長だったにも関わらず、
道中で極端に行きたがるような素振りを見せることはなかった上、
直線ではデビュー戦と同様に非凡な脚力を披露した。
今後、暮れのG1戦を目指すとなればさらなる距離延長と直線の坂がカギになるが、
今回の内容を見る限りこなしてくれるのではないだろうか。
母アドマイヤライトは現役時代3勝止まりだったが、
その半妹スリープレスナイトはスプリンターズSを勝利するなど短距離で活躍。
さらに同じ牝系からはヒシアマゾンやアドマイヤムーンといった活躍馬も出ており、
日本競馬との相性が非常に良い一族と言える。
アドマイヤライト11番仔の本馬がついにタイトルを獲得したことで、一族の歴史に新たな1ページを刻んだ。
これまで長い距離を主戦場としていたが、父がキンシャサノキセキに代わった本馬は
やはりスピードに秀でたタイプに出ている。
同世代相手にはマイルでも通用するかもしれないが、
将来的にはスプリンターとして活躍することになりそうだ。
管理する中内田調教師は、以前にも紹介したように最近活躍が顕著な関西の若手調教師の一人。
6日開催を終えた時点で勝ち星は40勝に到達(地方含む)しており、
リーディングでは全国7位につける。また、勝率ではJRAに所属する調教師で唯一、
2割を超える数字(.214)を残す。
騎手の起用に関しては、直近の1年で46鞍に騎乗して2位に倍以上の差をつけている川田騎手がトップで、
今回騎乗したC.デムーロ騎手を起用したのは今回も含めて8度だけ。
今短期免許期間ではこの日が初めての起用だった。
過去を見てもそれほど起用回数が多くないだけに、今回の抜擢の真意は定かではないが、
暮れの阪神JFと同日に香港国際競走があることを考えると、
ここで川田騎手などのリーディング上位のジョッキーを起用しても本番では騎乗できない可能性が高い。
そのため、前哨戦の段階からC.デムーロ騎手を確保したのではないかという推測がつく。