アドマイヤマーズ(牡)
6月30日 中京5R
メイクデビュー中京 芝1600m
時計:1:37.7(良)
騎手:M.デムーロ
厩舎:友道康夫(栗東)
父:ダイワメジャー
母:ヴィアメディチ(母父:Medicean)
主な兄弟馬:フレッチア
馬主:近藤利一
生産:ノーザンファーム
【回顧】
7番枠から好スタート。ハナへ行きかけたが、4番手に控える。
その後も道中の折り合いはスムーズで、3コーナー過ぎから徐々にポジションを上げていくと、
直線では残り300m付近で先頭に。直後に迫っていたケイデンスコールに一度は前に出られたが
懸命に内で抵抗し、ゴール前でこれを差し返した。
勝ちタイムは1:37.7。マイル戦にも関わらず、道中で2度も13秒台のラップが刻まれたため、
2015年以降に良馬場で行われた同条件の新馬戦の中では最も遅いタイム。
ただ、その影響からか上がりは速くなり、コンマ4秒上回る3ハロン33.3を記録。
全体では3番目というものだったが、上がり勝負に不向きと思われる血統面を考慮すると
上々と言えるだろう。
着差がつきにくい流れの中で3着馬には2馬身、4着以下を4馬身離したように、
上位2頭はここでは抜けていたとN氏。
本馬に関しては調教段階から評判になっていたが、それに違わぬ内容で先々が楽しみになった。
【血統考察】
母ヴィアメディチは現役時代にフランスで走って7戦4勝。
近親にはG1戦ロートシルト賞2着のヴィアラヴェンナがおり、
ヴィアメディチ自身もG3戦リューリー賞を制している。
引退後はフランスで繁殖入りしたが、2015年にDansiliの仔を宿した状態で来日。
同年春に誕生した牡馬は、翌2016年のセレクトセール1歳馬セッションにおいて
6200万円(税別)で落札されており、フレッチアという競走馬名で昨年末にデビューすると、
ここまで4戦2勝、2着1回、3着1回という成績を残している。
欧州時代に出産した産駒からもイタリアのG1戦リディアテシオ賞で3着に
入ったヴィアピサやドバイのG2戦バランシーンSで2着になったヴィアフィレンツェが
出ていることを考えると、母の繁殖としてのポテンシャルはかなり高いと見て良い。
本馬は、母が日本で産んだ2頭目の産駒で、昨年のセレクトセール1歳馬セッションでは
5200万円(税別)の値がつけられた。
母父にMediceanをもつ馬は国内に多くないが、その中からプリンシパルS2着
ブレステイキングなどが出ているようにサンデーサイレンス系種牡馬との相性は悪くない。
Medicean自身がマイル前後の距離を得意とした馬で、
その肌にダイワメジャーなのだから距離が延びると不安だが、
マイル前後の距離ではかなりの活躍が見込めるのではないだろうか。
ミッキーブラック(牡)
7月1日 福島5R
メイクデビュー福島 芝1800m
時計:1:50.1(良)
騎手:松山弘平
厩舎:音無秀孝(栗東)
父:ブラックタイド
母:マラコスタムブラダ(母父:Lizard Island)
主な兄弟馬:特になし
馬主:野田みづき
生産:ノーザンファーム
【回顧】
まずまずのスタートから軽く促して中団につけ、1コーナーを10番手でカーブする。
向こう正面に入ると内ラチ沿いに進路を取り、3コーナー手前から内を通って徐々に進出を開始。
4コーナーでは前が開かず追い出しが遅れたが、外に持ち出すと一気に前との差を詰めていき、
先に抜け出していたロジャーズクライをゴール前で悠々差し切った。
勝ちタイムは1:50.1。この条件で行われる新馬としては比較的速いタイムだが、
前日に行われた牝馬限定の500万競走で前年のラジオNIKKEI賞を上回るタイムが記録されるなど
開幕週の福島は速い時計が目立った。
それだけに、このタイムを鵜呑みにするのは危険かもしれない。
ただ、その一方で上がりに関しては、本馬がレースの上がりをコンマ7秒上回る34.5をマーク。
前述したように4コーナーでは追い出しが遅れ気味になり、
外を回したことを考えるとロスも少なくなかったはずで、そのような中でメンバー中
最速の脚を繰り出した点は評価できるとT氏。
メンバーレベルに疑問の残るレースではあったが、本馬に関しては
今後も息の長い末脚を武器に活躍しそうだ。
【血統考察】
アルゼンチン産の母マラコスタムブラダは、当地で現役時代に9戦6勝。
サトノダイヤモンドの母マルペンサなども勝利している芝2200mの牝馬G1戦
ヒルベルトレレナ大賞を勝っている。
血統的にはあまり日本で馴染みがないものの、父Lizard Islandはデインヒル系の種牡馬で、
近親には種牡馬として活躍したジェイドロバリーらの名前が並ぶ。
血統そのものは非常に優秀。本馬は、引退後に日本へやってきた母が最初に産んだ産駒であり、
こうした成績や血統面が評価されてなのか、2016年のセレクトセール当歳馬セッションにおいて
6200万円(税別)という値がつけられた。父の産駒らしく長く脚が使えるタイプで、
直線の長いコースが良さそう。距離の融通も利きそうである。