< 2022年9月 > | ||||||
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昨日(9/27)の安倍晋三の国葬。中継を見た感想を率直に言えば、まさしく右翼の祭典で、国家の儀式で安倍晋三を神格化し神聖化する右翼の壮麗なイベントだった。安倍晋三が銃撃で横死した直後、Hanada や Will や正論などの右翼月刊誌が仰々しい追悼特集号を組んで販売していて、内容は読まなかったが、魑魅魍魎たる目次ページがおどろおどろしくネットに表出してるのが目に入り、憂鬱で不快な気分をしたものだ。今回の国葬ショーは、その猛毒の極右雑誌に編集された内容と趣向が、3次元立体映像で構成され、役者が舞台で動いて喋り、始終がテレビで映されるという面妖な代物だった。
形式は国葬で、皇族やら自衛隊やらが引っ張り出され、箔付けの演出が過剰に施されていたけれど、中身は日本会議か統一教会の集会そのもので、日本国憲法を否定する右翼の思想とメッセージが発揚され示威された祭典だ。安倍晋三という右翼のリーダーを偉大な英雄として偶像崇拝し、国家の正規の装置の下で正当化と普遍化を固めるセレモニー(祀り事)だった。右翼が日本国の儀式を私物化し、税金を使い、皇族と自衛隊を動員し、公共の電波を使い、国民の弔意を強制し、安倍晋三とそのイデオロギーを絶対化する宣教を押し付けていた。あからさまな内心の自由の侵害であり、憲法19条違反である。
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バックナンバー 2022年09月分 会員登録する岸田内閣の支持率が下がり続けている。18日に示された毎日新聞の結果は29%だった。次は10月2日にJNNの数字が出る。その次は10月10日にNHKの発表が控えている。NHKの前回の数字は40%だった。おそらく大きく下がるだろう。10月前半の世論は、27日に行われる安倍国葬への評価が反映されたものになる。国民のダブルスコアの多数の反対を押し切って強行される安倍国葬に対して、マスコミが積極的な論評で対応するとは思えない。FNN産経の世論調査(9/20)でも、安倍国葬に賛成が31%、反対が62%だ。(上の写真は FRIDAY)
予定では10月3日に臨時国会が召集され、中旬に集中審議がテレビ中継される。統一教会の問題が槍玉に挙げられ、野党から厳しい追及があるのは必至で、10月後半から11月前半の世論調査に影響するだろう。この頃には円安による物価高の生活直撃も現在より深刻になっていて、政府への批判的世論は厳しさを増しているに違いない。統一教会の問題はかれこれ2か月になるが、一向に沈静化する気配がない。ミヤネ屋は毎日この問題をネタにして放送している。途切れないのは視聴率が取れるからで、視聴者の関心が相変わらず高い証左だと言える。TBS報道特集の検証シリーズも第8弾まで進んだ。
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バックナンバー 2022年09月分 会員登録するエリザベス女王の国葬が行われた19日夜、ロンドンでの式進行を中継しながら、報道1930で女王死去後の英国の行方が論じられていた。その中でロイター通信特派員のティム・ケリーが、10年後には英国という国家がなくなっているかもしれないという悲観的な予想を述べたのが印象的だった。スコットランド民族党とスコットランド自治政府は、来年10月に再び独立を問う住民投票を計画している。ティム・ケリーが示した厳しい見方は、この動向を視野に入れてのものだ。二度目となる来年の投票結果がたとえ否決となっても、数年後に三度目の正直となる可能性を否定できない。
前回、2014年の一度目は55%の反対多数の結果だった。二度目はもっと反対は減るだろう。そして、エリザベス女王の死去はこの民意に明らかに影響を及ぼすことは間違いない。死去から国葬まで10日間のマスコミ報道は、偉大な女王の功績と人柄の絶賛ばかりで、弔問に並んだ市民の発言を撮って流し、死去によって英国民はさらに団結を深め結束を強めるだろうと、お世辞的な結論を置いていた。だが、私はそうは思わない。ティム・ケリーと同じ不吉な観測を持つ。たとえば、スコットランド独立賛成派の人々は、今回の女王死去を本心ではどう思っているのだろう。
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バックナンバー 2022年09月分 会員登録する英国のエリザベス2世が8日死去した。健康状態悪化の報道からわずか半日の早さで逝った。その2日前の6日、トラスの新首相信任の公務をつつがなく執り行っていて、笑顔で元気そうな姿を英国民と世界に見せていた。死を2日後に控えた96歳の重病の老体で、どれほど心身に堪えていただろうかと想像させられ、最後まで使命と責任を果たし抜いた君主の姿に感動させられる。この人らしい最後の演出であり、自身と自国の評価を高め、プリファレンスとプレステージを高めることに尽くし切った見事な人生の終幕だった。
欧州を含めて世界に立憲君主国は多くあり、そこに国王がいるけれど、英国だけは何かが違っていて、別格な印象があることをずっと思ってきた。そして、それがエリザベス女王という君主の政治的指導力と関わっているという真相を徐々に感じていた。この人のカリスマ性と政治家としてのセンスとスキルは並々ならぬものがあり、その能力によって英国の今日があるのではないかと直観していたのだけれど、ビル・クリントンがそれを裏づける証言を発していた。政治と外交で卓越した力を持った人物であると。クリントンはよく見抜いていると思う。彼女はただのお飾りの君主ではなかった。
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バックナンバー 2022年09月分 会員登録するゴルバチョフの死に際して日本共産党が沈黙している。しんぶん赤旗にも記事がない。志位和夫のツイッターにも何も発信がない。黙して語らず、見ざる言わざる聞かざるを決め込んでいる。ネットで情報を探すと、8月31日に穀田恵二が会見で対応した動画があり、右翼が揶揄的に編集して上げていて、それを見ると「沈黙」の意味が了解できる。「覇権主義を踏襲したソ連共産党の中心人物であった点を思い浮かべます」と言っている。簡単に言えば、日本共産党にとってゴルバチョフは面倒な人物であり、論評は避けて通りたいのが本音なのだ。意義づけを論じ始めると自家中毒になるからである。
日本共産党は、ゴルバチョフとの関係において脛に傷を持つ身なのだ。一般的には、世界はゴルバチョフの功績を高く賞賛している。冷戦を終結に導いた偉人だと讃え、ソ連・東欧の暗黒に自由と民主主義の風を吹き込み、20世紀の歴史を大きく変えた巨人という評価になっている。この認識と意義づけは普遍的で不滅のものだろう。だが、その積極的評価を言う前に、ネガティブな評価を言う一部がいる。その代表が中国共産党だ。環球時報英語版は、ゴルバチョフを「西側諸国の制度をむやみに『崇拝』してソ連の独立性を失った」と批判、「社会主義を壊した反面教師」という規定を与えている。
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