〜臣side〜
彼女と初めて出会ったあの日。
あの時の俺はまだ…
彼女がこんなにも俺の心を
掴んで、乱して、癒して、壊して…、
そんな存在になりえるなんて、思いもしなかった。
もしもわかっていたなら……、
もっと違う道があったんだろうか……。
.
.
.
マ「今日から新しく仲間になる佐藤くんと〇〇さんだ。」
佐「よろしくお願いします!」
〇「よろしくお願いします!」
N「やっとマネージャー増えたか〜〜〜」
岩「それでもまだ足りないっすけどね…w」
臣「……。」
俺たちの仕事が多岐にわたって忙しくなるにつれ、マネージャーも今の人数じゃ追いつかなくなってきてて。
とりあえず二人増えたみたい。
佐藤くんは少し頼りないけど誠実そうな好青年。
〇〇さんは…、一言で言うと、地味。すげぇ地味。
……あとは、色が白い。
マ「佐藤くんはNAOTOと健二郎をメインでサポートしてもらうから。」
N「お、よろしくねー。」
健「よろしく!」
佐「はい!」
マ「〇〇さんは臣と隆二メインで。」
臣「あ、そーなんだ。よろしく。」
隆「よろしくね。」
〇「はい!よろしくお願いします!」
こんな色白な女、久々に見たかも。
……それにしても地味だな。
髪は後ろで一つ結び。化粧もしてんだかしてないんだかわかんないくらい薄いし。
マ「じゃあ二人は…、どんどん現場に同行して仕事覚えて慣れてってね。わからないことは俺たちに聞いてもらえればいいから。」
佐「わかりました!」
〇「頑張ります!」
二人はそのままリーダーに連れられて、会議室を出て行った。
健「俺も佐藤くんより〇〇さんが良かったわ〜。女子の方がええやん。」
N「でも別に全然可愛くないよ、地味だよw」
隆「NAOTOさんひっでぇ!w」
N「だって地味だったじゃんw」
岩「肌は綺麗でしたけどねー。色白いし。」
直「うん、白かった。北国の出身かな。」
E「おお!俺の仲間かも!」
臣「……。」
北国ねぇ…。まぁどこ出身でも別にどうでもいいけど。
N「彼氏いんのかな〜〜」
隆「地味とか言ってたくせにそこ気になるんすか!w」
N「まぁ一応ねw」
臣「いなそう。地味だもん。」
岩「意外に既婚者だったりw」
隆「えーー!それならびっくり!」
臣「ないない、絶対ないw」
E「なんで?w」
臣「地味だもん。」
直「地味な主婦だってこの世にはたくさんいるだろw」
N「ま、二人とも指輪してなかったしまだ独身だろうけどね。」
健「佐藤くんは仕事出来なさそうやけど、いい子そうやったなー。」
隆「まだ働いてもいないのに出来なさそうってひどいじゃん!w」
健「いや、なんか…見た感じ…?w」
臣「ははははw」
なんて好き勝手言いながら。
数日後に集まれるメンツだけで歓迎会をすることになった。
そんな時間があるなら友達とゲームしたいし、酒飲んで女とヤリたいし、家帰って寝たいし。
正直たりぃなーと思いながら、仕方なく仕事終わりに店に向かった。
新人の二人は「みなさんお忙しいのにすみません!」ってひたすらペコペコしてて。
ほんとだよーーー
って内心思いつつ、俺はつまみのチーズを口に放り込んだ。
〇「佐藤くん、お酌にまわろうか!」
佐「あ、そうだね!」
〇「私こっちから回るね。あ、佐藤くん…、髪にゴミついてるよ。」
佐「えっ…」
〇「はい、取れたw」
佐「あ、ありがとう…///」
〇「ううん♡」
……なんだこいつら。中学生のやりとりかっつーの。
……なるほどねぇ。新人同士、いい感じなわけね〜〜〜。
佐「じゃあ俺、あっちから回るね。」
〇「うん♡」
まぁこの二人がどうなろうと心底どうでもいいけど。
あーー、ねみ。
岩「臣さんつまんなそーーーw」
臣「あ?……いや、眠くて。」
岩「昨日どうだった?あの子。」
臣「ああ、エロくて最高でしたよw」
岩「あはははw あの子臣さんの言うことならなんでも聞きそうだったもんね。」
臣「うん。ドMだったわw」
あーあ、今日は持ち帰るような女もいねぇし…マジでつまんねーな。
帰る頃に誰か呼ぶか、適当に。
〇「登坂さん、おかわりいかがですか。」
臣「……ああ。」
まだやってたんだ、お酌隊。
臣「ちょーだい。」
〇「はい!」
緊張気味の彼女にグラスを差し出したら、ビールを注いでくれようとした瞬間、手元を滑らせたのか…
俺の袖口に見事にバシャーン……。
臣「……。」
鈍臭ぇ女。
〇「あ…の…あの…っ、あの…っ」
……って、震えてんじゃん!w
顔面蒼白っていうの?これ。
別に殴りゃぁしないのにめちゃめちゃ怯えてるw
臣「冷たいんですけどぉーーーw」
〇「!!!」
健「鈍臭いなー、自分!何してんねんw」
岩「臣さん怒ったら怖いんだよーー殺されるよーーw」