倒錯の螺旋階段
第1章 1章 彼と私
デスクで ため息をつく
仕事は いつもの通り
時間は 規則正しく テキパキと
決められたことを こなすだけ
不景気で ギスギスした 雰囲気も あるけれど
オフィスでの 自分は 相変わらず
生活の糧と思って 耐えるしかない
凡庸な 窮屈な 時間が流れる
***
「最初は 私からね」
Tの肩を 押して ソファにうつ伏せに 寝かす
両手首を 細い紐で 後手に縛る
赤いスカーフで 三角に 口を覆って結ぶ
猿轡 でもほとんど無効力で 飾りだけど
両足首も縛って 苦しくない程度に
逆海老に 手足の縄を 繋げてしまう
緩い 生地の スカートを 捲り挙げると
黒いレギンスを 纏った お尻を 撫でてやる
静かに 官能を 盛り上げるように 優しく
ソファから 手伝って 起き上がらせ
床に 膝付く姿勢に
向かい側の 姿見に 全身を 映せるように
私は ソファに 腰掛けて 背後につく
ブラウスの ボタンを 上から外すと
肩を 剥き出しにして ブラまで露出させる
掌を 広げて 上から 差し込み
小さな 乳首を 弄んでやると
コロコロと 硬直して 弾み
ため息を もらした
姿見で 自らの視覚でも 刺激してやるように
肌を弄り 首筋や耳に 息吹きかけてやる
あなたの官能の全ては 私の支配ね
1