(❀❀side)
ティロロロロ♪ティロロロロ♪
❀「…っ///」
また、岩田さんからの着信。
ダメダメ、出ちゃダメ。
❀「……はぁ…、///」
鳴り止んだスマホを、ぎゅっと抱きしめる。
……本当は、出たいの。
電話で話したい。
でも…
先週の飲み会では、あんな迷惑をかけちゃって…
月曜日だって…
岩田さんは具合が悪くて熱があるっていうのに、私は…
❀「////」
岩田さんに近付くと、ダメなの。
岩田さんのあの瞳に見つめられると…もう、
胸が熱くなって、身体が…うずうずして…
触れたくなるの。
こんなエッチで変態な私は、岩田さんに近付いちゃダメ。
また迷惑をかけてしまう。
だから…
頑張って岩田さん絶ち、してるんだけど…
とは言っても、今までも恥ずかしくって避け続けてきたから、あまり変わらないんだけど…
『電話、出て?声が聞きたい。』
❀「…っ///」
こんなメッセージが届いて、ドキドキして胸が爆発しそうになっても…
ダメっ!
返事なんて、返さないもんっ
電話だって、出ないもんっ
これ以上、変態だって…岩田さんに嫌われたくない。
そう思って…
私からは近付かないようにしてるのに…
岩「❀❀さーん、お昼行こっ♡」
❀「…っ///」
今日も笑顔でやってくる、王子様。
❀「わたっ、し…、今日は、えっと…」
岩「行こっ!断るの禁止ーー!」
❀「えっ…///」
なんて…強引な…
でも…好き///
……じゃ、なくて!!
❀「私、まだ仕事があるので、ごめんなさいっ!!」
バタバタバタッ!!!
今日も走って、逃げ出した。
ドキドキ…ドキドキ…///
仕事なんて、嘘。
今日も一人で休憩室でコソコソ食べる。
❀「はぁ…、///」
なんだか、岩田さん…おかしいの。
月曜日から、なんか…なんていうか…
電話番号を教えてから、すごく連絡が来るし…
一回も出てないけど…
LINEも送ってきてくれるし…
一回も返してないけど…
なんでこんな私に、構ってくれるんだろう///
私、ダメなんです。
岩田さんに近付いたら…ムラムラしちゃって、エッチになっちゃうから…
なんて、言えない。
ううう///
私みたいな変態は、今まで通り妄想で一人エッチしてるのが一番平和なの。
それでいいの。
だから岩田さん、これ以上私に構わないでください///
ピロンッ♪
❀「あ…」
LINEが届いて、開くと…
『なんでいっつも逃げるの。今日仕事終わったら飲みに行かない?今日じゃなくても、今週どこか空いてる?』
❀「……///」
また、岩田さんから。
ドキドキ…ドキドキ…
何度も何度もメッセージを読み返して、それを堪能して、トーク画面を閉じる。
返事は返せない。
❀「はぁ…、///」
好き。
こんなに。
どうしよう。
ランチを終えて、午後の仕事に戻ると…
主「おーい、誰か営業補佐頼む~~」
主任からヘルプ要請。
私、今日は割と余裕があるし…
女「誰ですかー?」
主「岩田ー。大手のアポみたいだから誰か頼むよ。14時から。」
女「14時かぁ…」
男「俺この後出るんだよなー」
❀「……」
引き受けようと思ったけど…
岩田さんの、補佐。
……///
無理。
主「おお、岩田。」
岩「あ、主任!急なお願いですみません。先方から急に連絡があって。」
あ、岩田さんが戻ってきた。
主「すごいじゃないか~!あの大手とアポが取れるなんて。」
岩「あはは、粘り勝ちですねw 誰か見つかりました?」
主「ええと…、おい、誰かいないかー?」
ドキドキ…ドキドキ…
私は、えっと…忙しいです、無理です///
岩「❀❀さん!」
えっ!!!
岩「手、空いてない?頼めないかな?」
❀「…っ///」
ご指名ですか?!!
びっくりしてオロオロしてると、岩田さんは顔の前で手を合わせて、お願いポーズ。
❀「……///」
そんな可愛くお願いされたって…
主「おお、どうだ❀❀さん。空いてたら頼むよ!」
❀「……///」
……断れなく、なってしまった。
……
…