ピンポンとカラオケとマージャンで全てが決まる娯楽極楽世界 宮野蹴鞠著
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発行者:宮野蹴鞠
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:卓球カラオケ麻雀

公開開始日:2017/12/03
最終更新日:2018/02/01 23:44

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ピンポンとカラオケとマージャンで全てが決まる娯楽極楽世界 宮野蹴鞠著 第4章 第三章:新たなる出逢いと病魔
 称号を【霊視の紳士】にしたまま、二人乗りでの帰り道、ポツポツと幽霊が見えた。

「ちょっとアンタ!」

 女と思われる声をかけられた。
 チャリを止めて振り返る。

「何か用ですか?」

「やっぱりアンタ、アタシが見えてるのね」

「あー、幽霊やね。見えるで」

「この方、幽霊なのですか? 怖いですわ‥‥」

 お彩さんが、オレの後ろに隠れる。

「その称号‥‥アタシを成仏させてくれへん?」

 距離を詰めて上目遣いで頼んでくる。
 オレと同じアラサーくらいやけど、ちょっと年上かな?
 フレームレスの眼鏡をかけてる。
 初恋の人とダブッて見えるのは気の所為やろか?

「まあ、オレに出来る範囲やったら手伝うけど、何が心残りなん?」

「あんな‥‥夢への志し半ばで、交通事故に遭ってな。そんでな‥‥」

 夢、かぁ。
 オレも叶えたい色々な夢が、まだまだある。
 そして、ヤバイ、この話は絶対長くなる。

「あ、そこのファミレスに入ろか。寒いし」

「何、ナンパ?」

「話しかけてきたん、そっちやないですか! しかも、オレは彼女を連れてるんですよ。あ、ちなみに名前は? オレはノリ」

「わ、わたくしは‥‥お彩と申します」

 お彩さんは、まだオレの後ろに隠れながらや。

「私はアズサ」

「え!?」

「何驚いてるん?」

「あ、いや、なんでもないです」

 オレの初恋の人と同じ名前とか‥‥。

*

 ひとまず、ファミレスに移動。

「ふぅ、暖(あった)かい」

「お一人様ですか?」

 そら、普通の店員さんには見えんわな。

「はい。あ、できれば四人席で‥‥空いてます?」

「はい、こちらどうぞー」

 店員に連れられて窓際の四人席に案内される。

「ご注文決まりましたら、ベルを押して下さいませー」

「ありがとう」

 店員さんも一旦消えたし、今のうちに。

「何か飲みます? 食いもんでもええですけど」

「ほな、ダージリンで」

「ほな、オレも‥‥って一人で2杯頼むんは変やな。カフェオレにでもしとこか。お彩さんは?」

「わたくしは玄米茶で‥‥」

 ベルで店員を呼んで注文。
 店員は復唱しつつ、オレの称号に気付いたっぽい。


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