〜〇〇side〜
臣「やべっ、起きろ!おいっ!!」
〇「……ん……、」
臣「遅刻!もう9時!ヤバイ!!」
〇「え…?」
登坂さんの声に叩き起こされてゆっくり目を開けたら、慌てたように服を着てる登坂さんがいて…
臣「時間!ヤバイ!」
〇「……?」
臣「ごめん、起こしてやるつもりだったのに俺も二度寝しちゃってた///」
〇「……?」
よくわからなくて頭がぽーっとする。
臣「あ〜〜、全然頭起きてないじゃん、お前///」
〇「……?」
臣「とにかく服を着なさい、服を///」
〇「……ふ…く…?」
……あ…、私…裸だ…。
……あれ…、なんで…、、
臣「おい、起きろ!しっかりしろ!」
〇「……っ」
臣「お前さっき俺とエッチしたまま寝ちゃったの!そんで俺も寝ちゃって…二人揃って寝坊してんの、今!」
〇「……寝坊…?」
ふと時計を見ると…、
〇「えええ!9時!?」
臣「だから言ってんじゃん!!」
〇「どうしよう!!」
やっと事態を把握した私は、慌てて飛び起きた。
臣「わわ、俺あっち行ってるからとにかく着替えろ///」
〇「え…、…っ、きゃぁ!///」
そうだ、裸なんだってば!!
私は慌ててクローゼットから着替えを取り出した。
……あ、寝る前に着てたパジャマはまたまとめて置いておいてくれてる…。
下着…も、///
てゆーかそれどころじゃない!
遅刻だよ遅刻!!
どうしよう!こんなの初めて!!
シャワーを浴びてる時間はないから急いで顔を洗って歯を磨いて。
〇「あ、っ」
いつものくせでアイロンをコンセントにさしたけど…巻いてる時間なんてないよね?どうしよう。
臣「貸せ。俺がやってやる。」
〇「わっ///」
ヌッと現れた登坂さんが私の長い髪をパパパパッとまとめておだんごにしてくれた。
臣「今日はこれで我慢して、///」
〇「は、はい///」
登坂さんて本当に上手だな…。
臣「よし、行くぞ!」
〇「はいっ!」
二人で大慌てで車に乗り込んで、今市さんのマンションに向かった。
〇「どうしよう、今市さん待ってるかな。」
臣「連絡入れとく。あ、でも俺からしたら変か。お前の貸せ。」
〇「お願いします!」
登坂さんに携帯を渡すと、登坂さんが代わりに今市さんにLINEを送ってくれた。
……なんて送ったんだろう。
臣「とりあえずOK。」
〇「ありがとうございます!」
臣「リーダーにもLINEしといたよ。」
〇「あ、助かります!すいません!」
臣「……いや…、悪いの俺だし…///」
〇「え…?」
運転しながらふとルームミラーを見ると…、
臣「朝から襲っちゃって…、、ごめん…///」
子供みたいに素直に謝る登坂さんがいて。
〇「……いえ///」
顔が一気に熱くなった。
………そうだ、朝起きたら…登坂さんに抱きしめられてて…
なぜかあれよあれよと言う間に、そういうことになっちゃって…
〇「////」
またエッチ、しちゃったんだ…///
でも、その後いつ寝たのか全然覚えてない。
臣「おい、ユデダコ///」
〇「はっ、はいっ!///」
臣「運転しながら反芻すんな///」
〇「し、してませんよ!///」
反芻だなんて…反芻だなんて…///
臣「あ、隆二。」
〇「はっ」
今市さんのマンションに着くと、帽子を目深にかぶった今市さんがぼーっと立ってて…
隆「なんでまた臣が先に乗ってんの!?」
今日は昨日よりももっと不満そうに、そう言われた。
臣「……寝坊して遅刻して焦って順番間違えたんじゃない…?」
〇「ごめんなさい…っ!」
隆「……っ」
登坂さんが上手くフォローしてくれると、今市さんは何も言わずにそのまま車に乗り込んだ。
……なんか…、登坂さんと一緒に今市さんに嘘をついて…、二人で悪いことしてるみたい…。
ごめんなさい今市さん…。
隆「てかなんで武士みたいなメールなの?」
〇「え?」
隆「さっき送ってくれたやつ。」
〇「え??」
丁度赤信号になって止まったからLINEを見てみたら…
『拙者寝坊!これから参る!』
ぶっ…!!
思わず心の中で吹き出しちゃった。
なんですかこれは登坂さん!!!!
隆「寝ぼけてたの…?」
〇「はい、すみません///」
もう!恥ずかしい!信じらんない!登坂さんのバカ!!
はっ、もしかして…リーダーにも!?
『拙者寝坊!登坂今市拾い次第至急向かう!』
もう!何これ!!!
〇「本当にすみませんでした!!」
無事に事務所に着いて…
打ち合わせが終わった後、リーダーに平謝りしたら…
リ「生放送とかじゃなくて良かったよ。今度から気をつけてね。」
って、苦笑いで許してもらえた…。
リ「それにしても急いでたとはいえ、武士みたいなメールに笑っちゃったよw」
〇「////」
それは私が打ったんじゃありません…。
リ「急いでたから今日おだんご頭なの?可愛いねw」
〇「あっ…」
佐「めっちゃ可愛い!」
〇「え?」
佐「いつも巻いてるのも可愛いけど…おだんごもすごくイイよ!可愛い!」
〇「あり…がとう///」
なぜか佐藤くんにめちゃくちゃ褒められた。
それから次の仕事に向かおうとしたら、今市さんに呼び止められて…
隆「ちょっと来て。」
〇「わ…っ」
腕をグイッと引かれて、端の部屋に連れていかれた。
丁度触られてるところが切り傷のところで、チクチク痛むけど…、我慢…。
隆「寝坊は仕方ないけどさ…、」
〇「は、はい…っ」
今市さん…怒ってるのかな…?
隆「なんで臣先に迎えに行ったの。昨日言ったのに。明日は俺先だよって。」
〇「あ…っ」
今市さんの口が尖ってる。
隆「……俺とチューすんの…嫌になっちゃった…?」
〇「え…っ」
今度は眉毛がしょんぼり下がってる…!
〇「違います!そんなんじゃなくて!///」
慌てて弁解すると、「ほんと…?」って今市さんが可愛く私を見つめてきた。
〇「////」
キュンキュンして…苦しい…。
隆「シロちゃんに…嫌われたのかと思った…。」
〇「嫌いになんて絶対なりません!大好きです!!」
隆「え…っ」
〇「は…っ」
勢いで言っちゃった。
〇「えと…、だから…そんな心配…しないでください///」
どうしようどうしようどうしよう。
大好きって言っちゃった…。
でも今のは人として、って意味に取ってくれるよね?きっと。
隆「大好き…なの?俺のこと…、///」
〇「////」
聞き返されてしまった。
隆「ねぇ…///」
〇「////」
今市さんがジリジリ距離を詰めてくる。
〇「……大好き…ですよ?///」
もうこれ以上後ろに逃げられなくて、そう答えてみたら…
隆「じゃあ…シロちゃんからキスして…?///」
今市さんは私に壁ドンしたまま、ゆっくりと目を閉じた。
〇「////」
ドキドキドキ…ドキドキドキ…、
…………チュッ!
一瞬、唇をくっつけたら、今市さんは薄目で私を見て、フッと笑った。
隆「なーに、今の…w」
〇「えっ…///」
今市さんの声が途端に甘くなって、ますます胸がドキドキする。
隆「こんな一瞬、キスって言わないでしょ?」
〇「えっと…///」
隆「やり直し。」
〇「えっ…///」
そう言われて困ってると、今市さんが片手でぺちぺちと私の頬を叩いた。
隆「わかんないなら教えてあげよっか…?」
〇「////」
心臓が…止まりそう…
今市さんのドアップに、耐えられない…!
隆「こら…w」
恥ずかしすぎて目をぎゅっと瞑ると、今市さんがこつんとおでこを重ねてきた。
隆「もぉ…シロちゃんは…/// 何回キスしてもいつも初めてみたいな反応なんだから///」
〇「ごめん…なさい…///」
だってドキドキして、苦しいんだもん…///
隆「ううん、そこが可愛いの///」
〇「え…?///」
隆「ほんと可愛い…、///」
〇「……っ」
今市さんはそのまま私の唇に、とても優しいキスをくれた。
〇「ん…っ、///」
壁ドンされたまま、角度を変えて何度も重なる唇…。
隆「……今日のおだんご頭、可愛い…。」
〇「え?///」
キスの合間、耳元で優しく囁かれた。
隆「うなじとか…ヤバイもん…///」
〇「あ…っ///」
首筋に唇を落とされて、ピクッと身体が震えた。
隆「そんな反応されたら…ヤバイって…///」
〇「////」
心臓が、バクバクする。
隆「ん…、」
〇「…っ///」
今度は反対側からキスされた。
〇「……っ、ゃ、やっ///」
首筋に何度もキスされて…
〇「んんっ///」
ペロリ、舐められた感触がして、思わず声が漏れた。
隆「はぁ…、可愛い///」
〇「////」
目が勝手にうるうる滲んでくる…。
隆「そんな可愛い顔で見つめられたら…我慢出来なくなっちゃうよ?俺…、///」
〇「////」
我慢…って、えっと…、その…、そういう意味かな…?///
隆「シロ…ちゃん…、///」
〇「あっ…!」
腕をぎゅっと掴まれて、痛くて声を出しちゃった。
隆「ん…?」
〇「あ、なんでも…ないです!」
コンコンコン。
隆「わっ!」
男「すいません、使ってますかー?」
隆「あ、ごめんなさい、すぐ出ます!///」
会議室を予約してた人たち?が来ちゃって、今市さんは慌てたように返事をして私の頭を撫でた。
隆「ごめん、出よっか、仕事戻るね///」
〇「あ、はい!///」
今市さんはすごく優しくふにゃっと笑って、照れ臭そうに去っていった。
〇「////」
やっぱりあの顔を見ると…、ダメ。
あの優しい瞳に見つめられると、ドキドキしちゃう…。
……今市さんが…好き、///
〇「はっ…」
私も仕事しなくちゃ!!
慌ててデスクに戻って、書類をまとめて。
次の打ち合わせに向かう準備で荷物を車に積みに行こうとしたら、登坂さんに呼び止められた。
臣「これ塗っとけ。」
〇「え…?」
なんだろう、これ。
渡されたのは、軟膏みたいなクリーム。
臣「ここ。」
〇「あ…っ」
登坂さんが指差したのは私の腕だった。
臣「絆創膏貼れないだろ、そんな長い傷。」
〇「……っ」
………なんで…そんな優しいの…?
〇「大したことないので大丈…」
臣「いいから!女なんだから…もっと自分の身体、大事にしろ!」
〇「……っ、はい///」
それは…登坂さんもちゃんと私を女扱いしてくれてるってことで…
そうだよね。
最近の登坂さん…なんかいつも優しいもん///
なんでなのかな…。
臣「あと…、ほんとごめん、今日。」
〇「え?」
臣「俺のせいで怒られてたじゃん…。」
〇「あ、いえ!あれは…寝坊した私が悪いので!///」
臣「でも…俺のせいじゃん…。」
〇「えっと…///」
臣「ごめんな…?///」
〇「////」
登坂さんは申し訳なさそうに私のほっぺを撫で撫でした。
〇「わた…し…、いつ寝たのか…覚えてなくて…」
臣「お前俺の上でそのまま寝ちゃったんだもん…///」
〇「え…?」
登坂さんの…上…、、?
〇「は…ぅっ///」
思い出した…!!
〇「重…かったですよね/// ごめんなさい///」
恥ずかしすぎて死にそう。
臣「全然重くない。平気。」
登坂さんは優しく笑って、また私の頬を撫でた。
〇「////」
だか…ら…、登坂さんが優しいと…調子が狂うというか…、
登坂さんはジャイアンでいてくれないと…
〇「あ、あのっ、これ…ありがとうございました!///」
臣「ん…。」
私はペコッと頭を下げてそのまま車に向かった。
荷物を全部積み終わって、もう一度デスクに戻って。
登坂さんにもらったクリームを腕の傷に塗り伸ばしてみた。
“お前、こんなに肌白くて綺麗なんだから…傷なんか作んな、バーカ。”
“女なんだから…もっと自分の身体、大事にしろ!”
〇「////」
……もう、ほんと調子狂う…!///