清楚な美人妻 彩27歳 『絵画モデル編』
第1章 退屈な日々の中で見つけた絵画モデルのバイト
それはある昼下がりのことだった。
近所のスーパーから買い物に帰ってきた彩は
マンションのエントランスにある
郵便受けを開けると
幾つかの郵便物に紛れて、
一枚のチラシが入っているのを
見つけたのだった。
『絵画モデル募集』
そのチラシには大きくそう書いてあった。
時々、郵便受けにはそういった種類の
広告のチラシが入っていて
いつもなら、彩は特に気にすることもなく
すぐに捨てていた。
ところが、その日の彩はなぜか
そのチラシが気になったのだ。
絵画モデルをする場所は、
彩の住んでいるマンションから
ほど近い場所で、
平日の昼間の二時間ほどのバイトで
かなりの高時給だったことも
彩が気になった理由のひとつだった。
ただ、それよりも彩は
平凡な毎日の繰り返しの中で
言葉にならない退屈を覚えていたのだった。
結婚二年目でまだ子供もいない彩は、
一流企業に勤める夫との生活には
経済的にもそこそこ満足のいく
生活はしていた。
夫は優しく頼りがいもあった。
しかし、その裏返しで
彩の事を束縛もしていた。
結婚してからは彩が家庭に入ることを熱望し
彩は結婚を機に仕事も辞め、
パートで働くことも勝手に習い事などを
することも禁止されていた。
そのため専業主婦として
時間にゆとりある生活はできたものの、
生きがいをあまり感じることのない
どこか物足りない日々を
送っていたのだった。
そんな悩みを働いている昔の友人に
相談すると決まって
「それは贅沢な悩みよ」
と一蹴されるだけで
自分の気持ちを分かってくれる人など
誰もいない孤独感にもさいなまれていた。
彩は、たまたまマンションの郵便受けに
入っていた『絵画モデル募集』のチラシを
部屋に帰ってから何度も見ていた。
モデルの仕事はたった一日だけの
二時間程度で終わる内容だった。
それで終わるなら、
夫にもバレることはないはず。
ただ、絵画教室のモデルとして
ポーズをとるだけなら自分にもできる。
そう思った彩は、チラシに書いてあった
連絡先にすぐに電話したのだった。
それから数日後、彩は自宅マンションから
徒歩5分ほどの場所にある
雑居ビルに向かっていた。
そこは普段からよく通る場所だったが、
中に入るのは初めてだった。
エレベーターに乗り、三階で降りると
チラシに書かれていた絵画教室が
そこにはあった。
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