◆議員決定リーグ
「これ見とけ」
親父がカラオケ用のテレビを顎で示す。
「これより地方議員決定リーグが始まります! 候補者は‥‥」
何政党の誰々でと、順番にマニフェストを語っていく。
若いアスリート風の政治家(?)が多い。
しかも雰囲気はギャンブラー。
もしかして、選挙やなくて‥‥。
案の定、ピンポンとカラオケと麻雀の三本勝負で、二本先取で勝ち、リーグ上位が当選‥‥というシステムらしい。
モンスターとのバトルだけやなくて、人間同士で何か決める時も同じか‥‥。
武力行使が無ければ、ピンフな‥‥もとい、平和な世界かも知れへんな。
それでも政治家と言えば、賄賂などで八百長という事も考えられる。
となると、自動雀卓とは言え、ある程度のイカサマも有りかもな。
ちなみに、テレビはカラオケと接続してあった物は残っているという事が分かった。
放送局は1個しかないようやな。
当然、カラオケBOXは普通に営業してるし、家庭用のカラオケを持っている家も多いらしい。
そんなもん、ワンルームマンションに住んでるオレが持ってる訳がない。
ってことはアニメも見れんやん><。
ゲーム機やスマホも無いから‥‥ってスマホ無いなんて不便すぎる!
ってか電話も、この世界に来てから見たことが無い。
そんな事を思いつつ、議員決定リーグを見ていると、ハイレベルな卓球。
魔法って訳じゃ無さそうやけど、炎を纏(まと)った球とか、分身する球なんてのを打ち合ってる!?
カラオケは、純粋に歌声・声量・音程を機械が採点してるからイカサマは無さそうやな。
その場で出現する以上、機械自体にイカサマを仕込む事もできんしな。
ピンポンとカラオケで2本勝った4人の候補者が4人打ち麻雀で決着をつけるらしい。
議席枠は上位2名。
そして、麻雀は‥‥やっぱりイカサマ有りやった。
一人がやったイカサマを見破って、手を掴むと握り込んだ牌が転がり落ちた。
イカサマ現行犯のみやけど、即座に負けとリスクが高い。
一人が脱落して、次の局からサンマに変わった。
オーラスが終わって、上位二名が当選となった。