「先生お願い、早く貸して下さい!」
グラウンドではすでに他の生徒が借り物を持ってゴールに向かって走り出していた。
「でも・・・」
玲奈は、担任として自分のクラスの生徒を助けてあげたかったが、今着ている黄色いTシャツを脱いでしまえば、
下にはブラジャーしか付けておらず、上半身はブラだけの姿を晒す事になってしまい、とても貸してあげるわけにはいかなかったのだ。
「先生、早く貸してあげなよ!」
「年に一度の運動会なんだからさ、別に中に付けている下着が皆に見えたっていいじゃん」
「私達のクラスが負けたら、先生の責任だからね」
玲奈の周りにいたクラスの女子生徒達は、黄色いモノを貸してあげなければいけないという事情を知ると、
寄ってたかって担任の女教師を責め立てた。
「そんな事言われても、Tシャツを脱ぐのは無理よ。ごめんなさい、他を探してみてくれない?」
玲奈が申し訳なさそうに断ると、周りに座るクラスの生徒達からは一斉にブーイングが起き、
借り物競走に参加しているその女子生徒はいきなり泣きだしたのだった。