欲望のままに
第1章 生意気なクソ姉貴が…
「今日は早く寝るから大きな音で音楽聴かないでよ」
「いいだろ別に」
「昨日も大きい音で聞いてたでしょ。隣まで丸聞こえだったんだから。今度、五月蝿くしたら叩くからね」
「ふんっ」
「こらっ」
「痛っ!」
「姉の言う事はちゃんと聞けっ」
「分かったよ、五月蝿いなあ」
「何?」
「何でもないよ」
「素直に聞いたら叩かれなくて済んだのに。相変わらず馬鹿ね」
二つ年上の姉、沙織は痛かったのか、叩いた手を振りながら部屋を出て行った。
「くそっ。姉貴だからって威張りやがって」
沙織が出て行ってから文句を口にする。それが修司の日常だった。
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