〜〇〇side〜
「最後まで…しない?」
登坂さんにそう言われて…
ナカに挿れられそうになった。
濡れてるせいで、入口はぬるぬるで…
登坂さんがそこにソレを滑らせるから
今にも入っちゃいそうで…
「ダメっっ!!///」
私は我に返って慌てて登坂さんから逃げてきた。
〇「はぁ、はぁ、はぁ…っ///」
危なかった。
だって…
アレが入っちゃってたら…
登坂さんとエッチしたことになっちゃうんだよね??
それはさすがにダメだと思うから。
練習の域を超えてると思うから。
〇「はぁ…///」
トイレで下着を履き替えて、火照った身体をなんとか鎮めてたら…
隆「シロちゃん!」
また今市さんに呼び止められた。
隆「お弁当ごちそうさまでした!美味しかったよー♡」
〇「……はい///」
さっきまであんなことしてたから…
今市さんの顔が見れないよ…。
隆「ねぇ、いっつもお昼どこにいるの?たまには一緒に食べたいな。」
〇「えっと…///」
会議室で…登坂さんと二人きりでお昼を取ってるなんて…言えない。
隆「てゆーか…また顔赤くない…?どうしたの?///」
〇「////」
だって…まだ…、身体が熱くて…///
隆「そんな目で…見ないで、って///」
〇「////」
今市さんにはバレたくない。知られなくたい、絶対に。
隆「もう…なんでシロちゃんはそんな色っぽいのかな…///」
〇「え…?」
今市さんは困ったように笑って私のほっぺを撫でると、そのまま仕事に戻っていった。
私も必死に頭をリセットして、午後の撮影現場まで登坂さんを送っていった。
登坂さんは何も喋らなくて…私も無言で、さっきのことがあるからなんだか気まずくて。
現場での業務を済ませて、一旦登坂さんに声をかけたら、登坂さんは私の目を見ずに返事をした。
〇「あの、今市さんの仕事がそろそろ終わるので、今市さんを送ったらまた戻ってきますね。」
臣「……ん。」
……さっきのこと、登坂さんはどう思ってるんだろう。
逃げ出したりして…情けない女、とか思ってるのかな。
イライラしてる…?
……やっぱり…もう、あんな練習は良くないよね…。
ちゃんと終わりにしよう。
今市さんのことは…ちゃんと自分で頑張るから。
……って、私何言ってるんだろう///
「頑張るから」って…何を頑張るの?///
今市さんと付き合えるとでも思ってるの?
やだな、図々しい…。
でも…
今市さんがシロちゃん可愛いって言ってくれるたびに…胸がときめくの。
優しくかまってくれるだけで嬉しくなって、幸せで。
今市さんがどういうつもりで私にキスしてくれるのかは…まだ、わからないけど…
〇「////」
私が今市さんを好きっていう気持ちは、本物だから。
隆「はー、疲れたーーー。」
〇「お疲れさまです。」
隆「今日はまっすぐ帰るーー。」
〇「了解しました!」
レコーディングを終えた今市さんを乗せて、車を走らせる。
隆「シロちゃん、まだ仕事あるの?」
〇「はい、この後、登坂さんの現場に戻って登坂さんをお送りします。」
隆「なぁーんだ…。」
〇「え?」
隆「もしもう終わりなら…シロちゃんのご飯、食べたかったなぁ…。」
〇「……っ」
甘えたような声と、可愛く尖らせた口に、キュンキュンしちゃう///
隆「臣なんてほっとけばいいのに…。」
〇「ええ!?w そういうわけには…、」
隆「シロちゃん、俺の専属だったらいいのにな。」
〇「……///」
そういう言葉の一つ一つが嬉しくて、期待しちゃうって…
今市さんはわかってるのかな…///
〇「……着きましたよ。」
車を地下に入れると、今市さんが身を乗り出して後ろから私の頬を撫でてきた。
隆「ん…、いつもの…。」
〇「////」
それは、キスの合図。
振り返って目を閉じたら、今市さんが優しく唇を合わせてくれる。
……チュッて音がして…
そのまま離れる時もあれば、たまに舌が絡み合う時もある。
隆「ありがと…、癒された///」
〇「は…い…///」
今日は触れただけのキス。
〇「お疲れさまでした…///」
隆「……。」
〇「……今市さん…?」
隆「シロちゃん…可愛い///」
〇「え…っ?///」
隆「もっかい、していい…?///」
〇「////」
断る理由なんて、あるわけがなくて。
ドキドキしながらもう一度目を閉じたら、今市さんは私の頬を包みながら、さっきよりも長めのキスをくれた。
隆「はぁ…、///」
〇「////」
目を細めて私を見つめる今市さんが…なんだか色っぽくて、男らしくて、ドキドキする。
隆「じゃ、また明日…。お疲れさまでした///」
〇「はい、お疲れ様でした///」
車を降りて、帰っていく今市さんの姿が見えなくなるまで、見送って。
〇「はぁぁ…///」
私は今のキスにしばらく酔いしれてから、登坂さんの現場に向かった。
臣「お疲れさまでした、ありがとうございました!」
監「またよろしくね!」
ちょうど撮影が終わったところだったみたいで、登坂さんは監督と笑顔で握手して、花束を受け取ってた。
リ「おう、シロちゃん、お疲れ。じゃあ後は頼んでいいかな?」
〇「はい!」
リーダーと交代して、片付けを済ませて。
そろそろ登坂さんも着替え終わったかなと思って楽屋をノックしようとしたら…
女「あ…、ん…っ///」
女の人の声が聞こえてきて、私の身体は固まった。
〇「……っ」
最近はなかったけど…
前は毎朝聞かされてた、その記憶が蘇って…
女「はぁ…、気持ち…いぃ…、んっ///」
どうしてだろう。
前は腹を立ててただけだったのに、今は息が出来ないくらい、苦しい。
〇「……っ」
どうして?
女「……あ…ん、あん…っ///」
中にいるのは登坂さんなの…?
そうだよね…?
登坂さんの楽屋だもんね…?
私はどうしてか泣きそうで、動けなくて。
臣「おら…、もっと動けよ…。」
女「あぁんっ♡」
登坂さんの声が聞こえてきて、それが確信に変わった時、足の力が抜けそうになった。
〇「……っ」
登坂さんが、女の人と…エッチしてる。
今、ここで。
女「あん、奥ぅっ!気持ちぃっ///」
臣「だったらもっと腰振れよ…w」
女「あんっ!当たる!当たっちゃうぅっ///」
……また…登坂さんは…女の人を上に乗せてるのかな。
前に見せられた光景が、頭に浮かんだ。
登坂さんの上で跳ねるようにして、気持ち良さそうに叫ぶ女の人の姿。
登坂さんは何も動かなくて、いつも女の人にあれこれさせるだけ。
〇「……。」
しばらくフリーズしたみたいに頭がぼーっとしてその場に立ち尽くしてた私は、ドアがガチャッと開く音で、我に返った。
女「臣ぃ、またね♡」
臣「ん。」
女「バイバイ♡」
満足そうな笑みを浮かべたその人は私に気付かずに去っていって…
私は必死に冷静を装いながら、何事もなかったかのように、登坂さんに声をかけた。
〇「お車の準備、出来てます。」
臣「ああ、今行くわ。」
登坂さんもなんでもないように普通に返事をした。
これが…普通なんだよね…?
私はただのマネージャーなんだから…。
登坂さんが散々女遊びしてることだって知ってるし…別に驚くことなんて何もないんだよね…。
〇「あ…、あの…、っ」
臣「……。」
私が声をかけると、登坂さんがゆっくり顔を上げて…、ルームミラー越しに目が合った。
〇「えっと…、その…、」
毎日してもらってた練習は、もう終わりにしたいんです。
ちゃんとそう言おうとしたら…
臣「明日からもう練習ナシな。」
登坂さんからあっさりそう言われて、私は何も言えなかった。
〇「えっと…、」
臣「ま、今まで通り相談くらいは乗ってやるよ、気が向けば。」
〇「……っ」
臣「頑張って早く付き合えよな。」
〇「……」
どこか気持ちがこもってないようなその言葉に、私は返事すら出来なかった。
〇「……あの…、着きました。」
臣「ん。お疲れ。」
登坂さんはぶっきらぼうにそう言って、車を降りていった。
〇「……。」
明日からもう練習はナシ。
それでいいんだよ。
私もそう言おうとしてたんだから。
やっぱりあんなの間違ってたんだと思う。
もう…今市さんにうしろめたいようなことはやめて、ちゃんと私は私なりに出来ることを頑張ろう。