〜〇〇side〜
〇「わ…っ///」
隆「へへへ、どーう?w」
〇「////」
撮影の衣装に着替えた今市さんはすごくカッコ良くて、思わず見惚れてしまった。
〇「あの…、すごく色っぽいです、セクシーです///」
隆「え、ほんとー?///」
〇「はい///」
今市さんてこんなのも似合っちゃうんだ…素敵だなぁ///
隆「カッコイイって言われるよりセクシーの方がなんか嬉しいな、へへへ///」
〇「////」
今市さんは少し照れたように私のほっぺを小さく撫でた。
〇「あ…っ」
それを遠くから見てたのは、今日一緒に撮影予定のモデルの女の人。
私は慌てて今市さんから離れて距離を取った。
ミ「今市くんよろしくねー♡」
隆「あ、ミキちゃん。よろしくねー。」
ミ「今日今市くんとの撮影だから楽しみにしてたんだー♡」
隆「えー、うっそー、ありがとー」
〇「……。」
お友達なのかな…?
今市さんと話しながら私を見る目がなんだか鋭くて、少し怖い。
カ「今市くん、ちょっと説明するからこっち来てー。」
隆「はい。」
今市さんがカメラマンとスタジオに入ると、ミキさんが私に話しかけてきた。
ミ「ねぇちょっと。これ片付けといてくんない?」
〇「え…?」
ミ「全部あっちに運んでおいてー。」
〇「え、私が…ですか?」
ミ「あなたマネージャーでしょ?雑用が仕事でしょ?なんか文句あんの?」
〇「……っ」
私は今市さんのマネージャーなのに…なんでこの人の雑用を…
ミ「いいからやんなさいよ!!」
〇「……はい、わかりました。」
現場によってはこういうこともあるのかな?
よくわからない。
でもとりあえず私は言われた通り、ダンボールの山を一つずつ倉庫に運び入れた。
台車とかないのかな…手作業だとちょっと大変。
〇「…ッ、痛…っ」
あ、腕が切れちゃった。
……これは…お風呂でしみそうだなぁ…、やっちゃった…。
ポケットに入ってたティッシュでちょちょっと拭いて、また作業に戻った。
〇「ふぅ…、これで全部かな?」
ミキさんに終わりましたって報告しに行こうとしたら…
男「あれ?ここにあった荷物は?!」
男の人が周りを見渡して驚いてる。
〇「あの、それなら私が…」
ミ「えーやだ、どこいっちゃったのー?」
は…?
〇「あの、ミキさんに頼まれて…」
ミ「あ、もしかしてこの新人さんが間違えて運んじゃったんじゃなーい?」
は!?
男「君、どこやったの!」
〇「あの、あっちの倉庫に…」
男「なんでそんなことしたの!ったく!全部元に戻して!」
〇「え…っ」
そう言われてミキさんを振り返ったら、思いきりあっかんべーされた。
〇「……っ」
なにこの子供みたいな嫌がらせ。
信じらんない。
カ「ミキちゃんスタンバイお願い。」
ミ「はぁ〜〜い♡」
ミキさんはるんるん今市さんの元に駆け寄っていって、その腕に甘えるようにくっついた。
〇「……。」
私はさっき運んだ段ボールの山をもう一度運び直して。
〇「はぁ、はぁ…っ、痛ッ」
また切っちゃった。
腕がヒリヒリする。
〇「はぁ、もう…っ」
ムカつくけど、こんなことに負けない。
きっとミキさんは今市さんのことが好きで…
たかがマネージャーの私が仲良く話してるように見えてムカついたんだと思う。
だからこんな嫌がらせを。
〇「はぁ、……やっと終わった…!」
さっきの男の人に謝ってスタジオに戻ると…
ミ「うふふ、やぁだ今市くんってば〜〜♡」
隆「あはははw」
撮影はもう終わったみたいで、二人は仲良く談笑してた。
ミ「また今市くんと仕事したいなぁ♡」
隆「えー、ありがとーw」
ミキさんは私に気付いて、わざと今市さんの腕に絡みついた。
その胸を押し付けるように。
隆「え、ちょっ…///」
ミ「プライベートでも会えたら嬉しいな♡」
隆「あ…、うん…、///」
ミ「ね♡」
これでもかってくらいおっぱいを押し付けられて、今市さんはタジタジしてて。
そのままLINE交換をして戻ってきた今市さんが私を見てふにゃんと笑った。
隆「シロちゃんどこにいたのー?俺の撮影見てくれてなかったでしょぉーー。」
〇「……っ」
隆「せっかくカッコつけて頑張ったのにさ〜〜w」
〇「……。」
私が言葉を返せずにいると、今市さんは私の頭をポンと叩いた。
隆「ね、早く終わったよ!ご飯…作ってくれる?♡」
〇「あ…っ」
そうだった、忘れてた!
〇「はい!」
私が元気に返事すると、今市さんは嬉しそうにふにゃんと笑った。
〇「……っ」
その笑顔だけで、心のモヤモヤがほんの少し、晴れた気がした。
腕がパンパンで筋肉痛だけど…フライパン振れるかな。
なんて思いながら、私は今市さんを乗せてスーパーで買い物をして、そのまま今市さんのマンションに向かった。