サ「おだんご頭が可愛いシロちゃ〜〜〜んw」
〇「あっ!サエ!!」
ホワイトボードの陰からひょっこりこっちを覗いてる。
サエがこっちに来るなんて珍しい!サ「いひっw さっきいた男の人たちが〇〇のこと見てそう言ってたよw」
〇「え!?」
サ「シロちゃん今日おだんごだ〜可愛い〜って♡」
〇「えっ…///」
サ「どしたの?超絶不器用で自分じゃ地味な一本縛りしかしないような〇〇が。やっと最近髪を巻けるようになったかと思ったらそんな可愛い崩した感じのおだんごまで出来るようになっちゃって♡」
〇「////」
私はサエの腕を掴んで裏に連れていった。
〇「これは…登坂さんがしてくれたの///」
サ「えっ!?」
〇「私…っ、サエに話したいことがありすぎる///」
サ「おおおおっ!面白くなってきたのね!?」
〇「面白くは…ない/// 面白がらないで。」
サ「はいはいw 今日も遅いの?飲みに行こうよ。」
今日の送り担当は私じゃないし…頑張ればそんなに遅くならないかも!
〇「行く!!」
サ「よっしゃ!w」
ってことで、仕事を大急ぎで次々片付けて、会社を出た後、私はサエと飲みに出かけた。
サ「どっひゃーーーー!!///」
私が一通り全部話し終えると、サエは大興奮で、私にグラスをぶつけてきた。
サ「も一度カンパーーイ!処女卒業にカンパーーイ!♡♡」
〇「ちょっと!そんなこと大きな声で言わないでよ!///」
サ「いや〜〜〜、登坂さんありがとう!もらってくれてありがとう!♡♡」
〇「////」
サ「しかもそんなすっっばらしい夜だったなんて♡♡」
〇「何…それ…///」
サ「だって痛くなかったんでしょ?気持ち良かったんでしょ?」
〇「////」
サ「初回なんて大抵の人は痛いし、一回したってその後もしばらくは痛かったり違和感あったりする人も多いんだよー?なのに〇〇は!初回もその後もずっと、ぜ〜〜んぶ気持ちいいんでしょ?♡♡」
〇「ちょ、やめて…、もう///」
サ「照れてる、可愛いぃ〜〜〜w」
〇「////」
私は火照る顔をおしぼりで押さえた。
サ「それはさ、登坂さんが相当優しくしてくれたんだよ♡」
〇「そう…なの…?///」
サ「ただヤリたいだけだったら男ってかなり自分勝手なもんよー?女側の身体の状態なんて大して気にせず突っ込もうとしてくるんだから!」
〇「え…っ」
サ「でも登坂さんはそうじゃなかったんでしょ?」
〇「う…ん、」
サ「優しいじゃん♡♡」
〇「////」
否定は出来ない。
だってエッチの時の登坂さんは…本当に本当に優しいから///
サ「つーかさー、〇〇ってば登坂さんが自分のこと飯炊きおばさんだと思ってるとか前に言ってたけど。」
〇「うん?」
サ「今市さんこそ、そうなんじゃないの?」
〇「ええっ!?」
サ「ご飯ご飯ってさぁ、〇〇にご飯ばっかねだって。絶対飯炊きおばさんだと思ってる。」
〇「ひどーい!!」
サ「で、ちょっとチューさせてくれる都合の良い女。」
〇「……っ」
サ「だって地方にセフレいたんでしょ?」
〇「……う…ん…。」
サ「地方にいて都内にいないわけないがな。絶対おるわ。」
〇「……っ」
サ「まぁ彼女いないならいくら遊ぼうと自由だけどさー。やっぱりあんな純粋そうな今市さんでもヤるこたヤッてんのね。男だもんね。」
〇「……。」
そう…なのかな。
私が知らないだけで…そういうこと…してるのかな?
〇「じゃあ…どうして私に…キスするのかな…?」
サ「だからさ、ちょっとチューしたくなった時にいつでも出来る都合のいい女なんじゃないの?」
〇「!!!」
「都合のいい女」。
それ…、前に登坂さんにも言われたかも…。
〇「でも…、でも…っ」
あんなふにゃんて優しく笑う今市さんがそんな人だなんて…とてもじゃないけど思えない。
〇「今市さん、すごくすごく優しいんだよ?」
サ「……。」
〇「いつも優しく笑ってくれて…私は癒されてて…」
サ「登坂さんがすぐに気付いてくれた怪我に、全く気付かないくらい鈍くても?」
〇「……っ」
サ「登坂さん…わざわざ〇〇のためにクリーム探してくれたんじゃないの?めっちゃ優男じゃん…。」
〇「……っ」
そう言われて、返す言葉に困ってると、私の携帯が鳴った。
〇「あ、今市さんだ…!」
サ「出なよ出なよ♡」
サエってば…ちょっと面白がってる。
〇「はい、〇〇です、お疲れさまです!」
隆「あ、シロちゃーん?お疲れーー」
〇「どうしましたか?」
隆「あんね、今から帰るところー。」
〇「お疲れさまです!」
隆「でも…シロちゃんが良かった。」
〇「えっ…」
リーダーの送迎じゃご不満なんですか!?
隆「もう晩御飯食べちゃった?」
〇「あ、はい。実は今サエと飲みに来てて…」
隆「サエって…サエちゃん?」
〇「はい!」
隆「そっか、友達なんだっけ。なんだー。食べちゃったかー。」
〇「ごめんなさい。」
隆「またご飯作ってくれないかなーなんて思って…図々しいでしょ、俺。あはははw」
〇「////」
笑い声が可愛い。
隆「でも今日は諦める…。」
〇「ごめんなさい。」
隆「ねぇシロちゃん。俺に作ってくれるご飯にいつも何か入れてるでしょ?」
〇「え?!」
隆「ヤミツキになる何か。」
〇「ええっ!!」
隆「だって…こんなにシロちゃんのご飯食べたくなるんだよ?」
〇「////」
今市さん…可愛いよぅ…
〇「また、いつでもお声がけください!作らせていただきます!///」
隆「へへへ、ありがと♡ じゃあごめんね?飲んでるところ。また明日ね。」
〇「はいっ!」
少しニヤニヤしながら電話を切ると、サエがじとーーっと私を見てた。
サ「やっぱり飯炊きおばさん…。」
〇「ぼそっと言わないの!///」
サ「だって今の電話、そういう要件でしょ?」
〇「そう…だけど…、、」
今市さんすごく可愛かったんだから!
サ「よし、決ーめたっ!あたしは登坂さん応援しよーっとw」
〇「応援!?」
サ「登坂さんさ、〇〇のこと好きなんじゃないの?」
〇「そ、そんなわけないでしょ!絶対!ありえない!」
サ「なんでよ?」
〇「だって登坂さんなんて…毎晩女取っ替え引っ替えの人だよ!?話したでしょ?!サエだって色んな噂知ってるじゃん!」
サ「そうだけど…、、そんな登坂さんが〇〇には優しいじゃん。」
〇「え…っ」
サ「女遊びとは違う枠に入ってると思うけど。〇〇。」
〇「じゃあ…何枠…なの??」
サ「いつの間にか本気になっちゃってた枠♡」
〇「そんなわけないでしょ!絶対ない!もうっ!」
サ「なんでよぉ〜〜〜〜」
そんなことは世界がひっくり返ってもありえない。
〇「登坂さんが私みたいな地味な女、好きになるわけ…」
サ「可愛くなったじゃん、〇〇。登坂さんのおかげで♡」
〇「そ、それは…マシになっただけで…」
サ「なんで?かわいーよ?」
〇「……っ」
そう言ってもらえるのは嬉しいけど…
〇「とにかく、絶対ないから!」
サ「ふぅーーーーーん。」
〇「私の話はもう終わり!次はサエの番!」
サ「なんでよ!?今日は〇〇の話を聞くために飲みに来たのに!」
〇「私はもう全部話したもん///」
サ「私なんてなんもネタないわ!w」
そんなこと言いつつも、ネタは尽きない女二人。
飲んで語って、飲んで語って、気付けばもういい時間になってた。
サ「あーー、楽しかった!」
〇「うん!結構飲んじゃったw」
サ「また臣隆どっちかと進展あったら教えてね♡」
〇「えっ…」
サ「そいじゃ!おやすみーーー♡」
〇「おや…すみ…///」
それから家に帰ってきてお風呂に入ると…、
〇「あ…。」
腕の傷がもう、しみなくなってる。
……すごい。クリームのおかげかな?
“登坂さん、わざわざ〇〇のためにクリーム探してくれたんじゃないの?”
〇「////」
“いつの間にか本気になっちゃってた枠♡”
ちちちち違う違う!絶対違う!
そんなこと言っても思っても絶対殺されるよ!
地味子が調子乗ってんじゃねぇ!
勘違いすんなバーカ!!
ってぶっ飛ばされちゃうよ!!
私は言ってません!思ってません!
サエが勝手に言っただけです!!
……って、頭の中でジャイアンに必死に謝ってたら、携帯が鳴った。
〇「えっ!?」
登坂さんだ…!!
〇「はい、もしもし!」
臣「……どこ。」
〇「はい!?」
臣「今どこ。」
〇「……お風呂…です。」
臣「ああ、声にリバーブかかってっからびっくりしたw」
〇「すいません…///」
臣「もう帰ってきたの?」
〇「え?」
臣「サエと飲んでたんでしょ?」
〇「なんで知ってるんですか!」
臣「隆二が言ってた。」
〇「あ、そっか!はい、そうなんです。もう帰ってきましたよ。」
臣「……じゃあ今から行くわ。」
〇「はい!??」
臣「俺もう風呂入ったし。丁度いい。」
何が丁度いいんですか!??
まったくわかんないんですけど?!!
臣「じゃ。」
あ!また勝手に切れちゃった!!
〇「……っ」
今から行くって…
うちに来るんだよね???
……また…泊まるのかな…???
〇「////」
えっとえっと…
なんで!??
またエッチするの?!!///
……さすがにそれはないかな???
もう…ジャイアンが何考えてるのかほんとわかんない。
助けてドラえもん…。