死体少女
第2章 1話:無関係のはずだった
少しの間画面を見たまま放心していた俺もやっと正気に戻って本文の確認を急ぐ。
序盤はガキの悪戯に騙されてやるのもいい、と強がっていたが、読み進めるにつれてそれもできなくなっていった。
よくある「死ね死ね死ね...」などではなく、悲痛な叫びが淡々と綴られた文面。
メッセージというよりは日記のようで、恐怖や憎しみの描写が妙にリアルで生々しいのだ。
<今日もクラスのみんなは口をきいてくれない。
あって無いような私の机にはいつも通りゴミ箱や赤い字で悪口の書かれた紙切れが十枚くらい置かれてて、「くさい」とか「きもい」とか「学校こないで」とかいつも通りのことが書いてあった。
「くさい」なんて、お風呂毎日入ってるし。
「きもい」って、どこがきもいか面と向かって言わないじゃない。
学校だって...行かなくていいならとっくに行ってないよ.....。
机の上のものをどける私。それをみてくすくす笑うクラスメイト。
私の何がいけないの?私の何がおかしいの?>
「死にたい.....?」
途中から声を出して読んでいたようだ。
自室だったため自分以外に人はいなかったものの、内容のせいもあって少し後悔した。
「...くそっ.....」
なんで悪戯かもしれないメールで俺がこんな気分にならなきゃいけないんだ。
募るイライラを消化できず、俺は携帯をベッドへ投げ捨てた。
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