海の家 〜10年越しの恋〜
第5章 【岩】前半
それから夕方まで仕事をして予定の時間になると
店長が声をかけてくれた。
店)今日はありがとう!お疲れ!
◇)ありがとうございました!
店)よく働いてくれて助かったよ!
あ、2Fは好きに使っていいからね。
◇)はい。
店)泳ぐなら泳いでもいいしw
◇)あはは…はい。
ありがとうございます…
私は…もうそんな気分にはなれなくて…
ずっとずっと会いたかった剛典くん…
約束どころか
私のことも覚えてなかった。
小学校以来だから
顔も忘れちゃったのかな…
私だけずっと好きで…バカみたい…
でも…
今でもやっぱり好き。
どうしよう…
切なくて涙がこぼれた。
気付かれないように砂浜まで出てそのまま海岸線を歩いた。
人気のない岩場まで来て
座って水平線をゆっくり見てた。
◇)剛典くん…、ぐすっ…
また…涙がこぼれてくる…
男)あれあれ〜〜〜
こんなところでどうしたのかなー?w
男)うわ、めちゃくちゃ可愛い。
ラッキー♪
男)一人で泣いちゃってどうしたわけ?
男)俺らが慰めてあげるよ♪
◇)えっ…
何この人たち…
いや…っ、こわいっ…
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