重賞大予言

真面目と不真面目の境界線はどこにあるのだろう。

とりあえず、他人をみて、あの人は真面目だ、不真面目だ、と判断するとしたら、一般的に、真面目は、地味、メガネ、髪を染めていないといった外見と、日頃、冗談を言わずに、コツコツと行う仕事ぶりから、あの人は真面目だ、となるのだろう。一方、不真面目はその逆で、派手な外見と、仕事の合間にちょくちょくタバコを吸いに抜け出し、ちっとも仕事をしていないふうに見られたとき、あの人は不真面目だ、となるのだろう。

だから、他人に対して、真面目だ、不真面目だ、というときは、とりあえず、外見と所作から判断していると言える。

真面目、という漢字の成り立ちも、見た目の面（ツラ）が真実、と言いたそうではある。

一方、自分が自分に思う、真面目さと不真面目さは、どうやって判断するのか。私はこれがちっともわからない。

なぜわからないかというと、真面目、という言葉の意味そのものがわからないからだ。

コツコツと仕事をする人を、真面目な人、と呼ぶのであれば、毎日ギターで作曲を続けるミュージシャンを、真面目なミュージシャンと言うだろうか。私ならその場合、音楽を心から愛するミュージシャンと言う。生活がピンチになり、闇バイトに手を出した若者が、たくさんお金をほしいため、コツコツと詐欺の電話をする姿は、真面目なアルバイターと言えるだろうか。

私はこの先も、真面目とはなんなのか、その逆の不真面目とはなんなのかを理解できるとは思えないため、「好きでしょーがない」と「嫌でしょーがない」で代替している。

私が最近、好きでしょうーがないのが、メンズエステとデニーズの「アメリカンクラブサンド」である。

メンズエステはほとんどビョーキ、重症である。朝起きて、会社に通勤中、仕事中、昼休み、仕事中、帰宅中、その至るところで、「今日も行きたい」と思い始め、気づいたらホームページで予約ボタンを押している始末。「アメリカンサンドクラブ」は単に、メンズエステにいく前に、デニーズで腹ごしらえしているだけである。ここ最近、週に2〜3食は食べている。

『ラーメン屋にて　真面目な店主と不真面目な客』

「おじゃまします。今、いいですか？」

「いいもなにも、暖簾がかかってんだから、見りゃわかるだろ。おじゃまと思うなら、帰りなよ」

「あっ、すみません！（うわぁ〜、いい味だしてるなぁ。こういう頑固なオヤジが作るラーメン、きっとうまいんだよな〜）」

「悪いけど、水、そこからセルフで」

「ぜんぜん、いーです。えっーと、注文いいですか？」

「いちいち聞かないで、言いなって。お客さんはなんでも人に断ってからじゃないと物事を進められないのかい？」

「（この説教くさいところもまた、町中華のオヤジの魅力の一つでもあるんだよな〜）では、ラーメンと半チャーハン、餃子お願いします」

「あいよ。あっ、お客さん申し訳ないけど、もうすぐメインレースが始まるんだわ。作るの、あとでいいかい？」

「あっ、はい。時間、ぜんぜん余裕あるんで」

（5分、経過）

「ったく、逃げ馬が逃げなきゃ、レースになんねぇだろ。あの騎手、何年、馬にまたがってんだよ！」

「（なんか機嫌が悪くなってきたな。まぁ、それも昭和の男って感じで、今の時代にはない魅力があるか、、）

「お客さん、お待たせ。ラーメン、半チャーハン、餃子。ったく、あの追い込み馬もだらしねぇよなぁ」

「ラーメンは、今の時代に、なるとが乗っていてうれしいな。餃子も皮が厚くて、食べ応えありそう。チャーハンも卵をふんだんに使ってあって、、、いっただきまーす！」

「声が大きんだよ！ 黙って食えないのかい！」

「（うっ、まず、、、なんだこのラーメン、味がちっともしない。。とりあえず餃子を。。冷たくて、生に近いぞ。火がほとんど通ってないじゃないか。そしてチャーハンも、塩コショウがキツくて、辛すぎる！ だめだ、とても食えたもんじゃない）」

「どうした、お客さん、つらそうな顔して。口に合わないかい？」

「そんなこと、ないんですけど、そうですね、ちょっと味が濃いめかなーなんて。はっははは」

「箸が進んでないから、俺がつくったラーメンが不味いのかと思ってな。不味くなきゃ、いいけどよ」

「（これ以上、食べたら、腹を壊してしまう。どうしようか、、、そうだ）あっ、もしもし。今？ ラーメン屋。えっ、ほんとに？ それは大変だね、今すぐ行くから、ちょっと待ってて！ 親父さん、すみません、急用ができてしまって、今すぐ行かないといけないんです。ほんとに全部食べられないのが残念なんですが、お勘定をお願いします！」

「急ぎなら、お金は今度来たときでいいよ」

「今度って。。いつ、来られるかわかりませんし、、」

「ほら、今すぐに行ってやりなよ。彼女が数名の男たちにレイプされているんだろ？ 今すぐ、助けてやれって！」

「いや、そんなんじゃないんですけど、、とにかくお金を、、」

「わからねぇガキだなぁ、ぶっ飛ばすぞ！」

「わかりました、それでは、必ず今度、お金を持ってきます！」

で、中日新聞杯。

アラフィフのひとり暮らしが、最も生活で必要のない物のひとつに新聞があげられるが、私はこの9月より、朝夕刊を契約した。きっかけはネットで飛び込んでくる情報が面白くないからだ。ここ数年、感じていた。

最初、東京新聞の1週間お試し無料を頼んだが、記事が共同通信配信のものばかりで独自性を感じず、実家で読み慣れていた読売新聞にした。

読売新聞は、夕刊の、映画評、舞台表、書籍評がすばらしい。まず、文章が的確で、上手い。思えば、昔、映画雑誌に身を置いていたときは、読売の夕刊をよっぽど参考にしていた。

金曜日、土曜日の夕刊には、翌日の競馬予想も載っているが、これは当たらない。私の方が、まだ当たる。

ここまでお読みくださり、お疲れ様でした（笑）。新聞はこれの何倍も文字数がありまして、私は疲れないのだが。