のこぎりぎゃし
< 2024年11月 > | ||||||
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もしかしたら、興味がある人がいるかもしれないので、書いてみる。
今から30年弱前、私が大学を留年した1年間、角川春樹事務所の「いっかく千金」というギャンブル雑誌でアルバイトをした経験である。
大学の留年が決まり、親からお小遣いがもらえなくなった私は、4月から週5の平日と週3日深夜のセブンイレブン、週2日のレンタルビデオ店のアルバイトを決めた。大学卒業のために必要な単位は「4単位」で、たった1コマを履修すれば良いのであった(たった1コマの履修のために授業料80万近くが必要なわけだが、こちらは親が支払った)。「4単位」を取るために、20近くの授業を登録しているから、まず卒業は大丈夫だろう。よって、この1年は、もともと将来は編集者になると決めている自分にとって(父親が編集者なので自然とそう考えていた)、出版社のアルバイトは何としても経験してみたいものであった。
3月にアルバイト情報誌「フロムA」で募集を知り、履歴書を送ると、すぐに面接があった。場所は水道橋と神保町の間にある出版社・飛鳥新社のビルだった。ギャンブル雑誌「いっかく千金」は、角川春樹事務所と飛鳥新社がお金を出し合ってスタートする雑誌なので、編集部は飛鳥新社内にあったのである。
面接では、「競馬はやるの?」「競馬よりも競艇なんです」「競艇とはシブいね」「まぁ競馬もやってみたいと思います」「文章は書ける?」「特に書いた経験はないですが将来は編集者になりたいと思っています」といった会話があり、アルバイトとして採用された。
採用されたアルバイターは、8名ほどで、「競輪の予想紙で働いていた人」「劇団に所属している人」「実家の飲み屋を手伝っている人」など、ほぼ同世代の男女が集まった。女子はほとんどギャンブルをやらず、編集部での電話応対やハガキ整理などを目的に採用されたという。一方、5名いる男たちは私も含めてギャンブル好きで、なかなか個性がそれぞれ、あった。
月〜金の午後頭くらいから(編集者の朝は午後である)夜の9時くらいまで、編集部で働き、私は車を持っていたから、その時間から月・水・金は池袋に移動して、夜10時から夜中3時までレンタルビデオ屋で働き、同じく火・木・日は地元のセブンイレブンに移動して、朝の8時までセブンイレブンで働いた。
大学にはほとんど行かない。気が向いた時に、所属している落語研究会に顔を出して、飲んで帰ってくるくらいだった。
池袋のレンタルビデオ屋のバイトは楽しかった。メンバーは、大学留年中の私、学習院大学のボディビル部に所属し、いつも食事制限をしている加藤くん、映像の専門学校を卒業して自主映画を撮っている小川さんなど、夜中の1時を過ぎるとほとんど客が来ないため、フロアにあぐらで座り、「好きな映画の話」を夜な夜なしたものである。3時に店を閉めると、みんなで近くの「松屋」か「ラーメン屋」に夜食を食べに行くのが習慣だった。
セブンイレブンのバイトも当時はワンオペだったが、こちらも夜中の1時を過ぎれば、朝の6時くらいまでは滅多に客が来ないため、バックヤードで、タバコを吸いながら納品されたばかりの「パチンコ必勝ガイド」や「パチンコ攻略マガジン」を読んだり、時間的に廃棄になった弁当を食べたり、他の曜日に入っている女性アルバイターが遊びに来たときは、バックヤードでキスをしたりといったこともあった。
いずれにしても、レンタルビデオ、セブンイレブンのバイト終了後は一旦実家に帰るが、すぐに出かける。パチンコ屋に並ぶためである。
当時のパチスロには、1回転目でビッグが揃う「モーニング」というのが、客寄せのために数台に1台の割合で仕込まれていた。たった1,000円の投資が数万に化けるかもしれないのは魅力だが、私が通っていたその地元店は、モーニングが入っている台は設定が低く、入っていない台に高設定が仕込まれていることを経験として知っていた。またあるときは、戸田競艇場で偶然会ったその店の店員が、その日依頼、私が入店する際に、耳元で「○○○番台が、設定をいじってる」と囁いてくれるようになり、しばらく勝たせてもらった。
高設定の台に座ると当然、丸一日打ちたくなるわけで、最初こそ編集部には時間通り出社していたが、慣れてくると、「ちょっとパチンコが出ちゃったもんで、今日は出社しません」と言っても、許してもらえた。
さて、ギャンブル雑誌「いっかく千金」のアルバイト内容だが(私が大学留年した春に創刊し、大学を卒業した翌年春に廃刊になった)、4〜5月は、編集者の荷物持ち、雑誌に掲載する備品の買い出し、撮影スタジオの予約、読者から寄せられたハガキの整理といったところ。6月以降は、新橋にあるJRAのPRセンターにレース写真を借りに行ったり、競馬四季報をコピーしに行ったり、土日の競馬場での撮影準備だったり、段々と競馬関係の仕事が増えた。夏を過ぎる頃には、少しずつ文章を書かせもらえるようになり、私は「ナンバーズのページ」や「読者コーナー」を担当した。また、入稿作業でデザイナーの元にも出掛けるようになり、雑誌のデザインがどのようにして出来上がっていくのかを知ることができた。
ギャンブル雑誌「いっかく千金」は、中国5千年の歴史をもつ「天中殺」だの、レースを支配する数字「超運数」だの、タロット馬券など、オカルト攻略法がウリだったが、雑誌を作っているすべての人は真っ当で、誰もオカルト攻略法など信じず、ただただ出版社の上の方の人が考えたコンセプトなだけであるため、内容はいつだって支離滅裂で、1年間で廃刊となった。
笑ったのは、創刊号で、読者プレゼントの当選者一覧が載っていたことである。いったい、いつ読者プレゼントを募ったのか。当選者一覧の名前は、編集部の誰かが架空で書き上げたものだろう。
実に胡散臭い雑誌だったが(広告も最初は一流企業のものが多かったが、後半は予想会社のものばかりとなった)、働いている人(編集者)は優秀な人ばかりだった。今でも数人と付き合いはあるが、皆、それぞれ出版社やIT関連で活躍している。
思い出話は尽きないほどあるのだが、アルバイト仲間に、「毎週土日に、水道橋ウインズに、馬券を買いに行き、月曜日に、的中しているか結果を調べる」だけが仕事の、柳川さんという人がいて、我々と同じ時給をもらえるのが、まったく不思議だった。しかも、本来ならば買う馬券は雑誌に掲載した買い目を買わなくてはいけないのだが、柳川さんはノミ行為をしているらしいことがわかった。毎週、10万近くの馬券代をポケットに入れ、的中した買い目の馬券を求められると、「すみません、買い忘れてました」とシラを切っていた。肝が座っている男であった。
なぜ今回、ギャンブル雑誌「いっかく千金」を思い出したかと言うと、そろそろ、その時の編集者の方々が、定年を迎える年齢であることが、頭をよぎったからである。
取れる人には連絡を取り、久しぶりに会ってみたいと思ったのである。
というわけで、長文のあとは、長距離レースのダイヤモンドステークスです(笑)
2024年02月17日 東京 11R 15時45分 ダイヤモンドS(G3)
◎:5枠 5番 ワープスピード
◯:7枠 8番 サリエラ
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馬券 :ワイド
買い方 :通常
指定方式:印
組合わせ:1点
購入金額:10,000円
馬/組番:◎ー◯
◎ ,◯ (5ー8)
10,000円
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着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | タイム |
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1 | 8 | 9 | テーオーロイヤル | 3:30.2 |
2 | 7 | 8 | サリエラ | クビ |
3 | 5 | 5 | ワープスピード | 11/4 |
単勝 | 9 | 310円 | 2番人気 |
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複勝 |
9 8 5 |
120円 120円 140円 |
2番人気 1番人気 3番人気 |
枠連 | 7-8 | 400円 | 1番人気 |
馬連 | 8-9 | 530円 | 1番人気 |
ワイド |
8-9 5-9 5-8 |
230円 270円 280円 |
1番人気 3番人気 4番人気 |
馬単 | 9-8 | 1,140円 | 3番人気 |
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3連複 | 5-8-9 | 820円 | 1番人気 |
3連単 | 9-8-5 | 3,670円 | 3番人気 |
WIN5 |
印 | 着順 | 枠番 | 馬番 | 馬名 | オッズ | 人気 | 斤量 | 馬齢 | 騎手 | 調教師 | 馬体重(kg) |
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◎ | 3着 | 5 | 5 | ワープスピード | 5.0 | 3 | 56.0 | 牡5 | 菅原明良 | 美浦高木登 | 504.0 |
◯ | 2着 | 7 | 8 | サリエラ | 2.6 | 1 | 55.5 | 牝5 | C.ルメール | 美浦国枝栄 | 432.0 |