このように我は聞いたのだ 【序品第一】(一~二行)
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毎日ホッ法華経!DM328 法華経全28品達成の道
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★★ きょうの謎!
その謎1:成道と成佛との実際の状況は違うようだ。
その謎2:一時、王舍城という所に住んでいたのは何故か?
■■第1-1日号<創刊号> Vol.1
【序品第一】(一~二行)
このように我は聞いたのだ
■■今日の一偈一句
カク ゴト ワレキ ジ ホトケ オウシャジョウギシャクセン ナカ ジュウ ダイビクシュマン
是の如きを我聞きき。一時、佛、王舍城・耆闍崛山の中に住したまい、大比丘衆萬
ニン トモ ミナコ アラカン
二千人と倶なりき。皆是れ阿羅漢なり。
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■■ 1. 今 日 の 解 読 ! (苦)
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このように我は聞いた。ある時期、佛は王舍城のある耆闍崛山の山中に住んでおり、大
比丘衆の1万二千人が伴っていた。その大比丘らは皆阿羅漢の地位にあった。
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■■ 2. 今 日 の 説 法 ! (集)
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法華経は通常、無量義経(開経)と観普賢菩薩行法経(結経)の3つの経典が関連して
一組になっています。
この3つの経の始まりの文句は各々「是の如きを我聞きき。」となっていて皆同じ始ま
り方なのです。
このように我は聞いた、という始まり方の意味は、ある者が釈迦の生前の時に聞いてい
た話をそのままこの法華経の読み手に話し始めるという語り口なのです。
さて、そのある者とは、この序品の最初に記されている大弟子の一人である阿難という
釈迦の侍者なのです。
釈迦の死後、数ヵ月後に集った弟子達の中で唯一釈迦の話していたことを正確に暗記し
ていて、その場皆の前で自分の頭から涌出したといわれ、その内容が法華経として語り
継がれてきたといわれています。
どうしてか、釈迦は生前中に教えの内容を何一つ書面や石筆などの記録に何一つ残さな
かったといわれています。
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ところで、釈迦が住んでいたという王舍城とは単に山城のような場所だけで、豪華な建
物らしきものではなかったようです。
そして記録は何も残さなかったわけですから、釈迦が生存していたという証拠記録はす
でに釈迦の死の直後にはほとんど何も無かったのでありましょう。
残された証拠は結集した弟子達の証言だけだったようなのです。
これは何か特別の事情があったのでしょうか。
考えられることは王舍城という名前の居城だけあつて姥捨て山のように王が捨てられに
行く山だったのかもしれませんね。
釈迦は仏道に入る以前は王様をなさっていたことはすでにご存知でしょうか?
釈迦は現存していた人物であり、釈迦は王家の王子として生まれましたが佛道を目覚
し、王になることを辞めて出家をしたのが19歳或いは、29歳の時だったと伝えられ
ています。
その後、苦しい6年の修行期間を経て35歳(一説では30歳)の時、初めて菩提樹の
下で悟りを開き成道したのでした。
最初にお断りしておきますが、この35歳の時の成道とは晩年の最終的な悟りによる成
佛とは異なる意味が重要であるということです。
つまり、「成道した」のは自ら求めた希望であり、「成佛できた」のは他から求められ
た願望によるという重要な意味の違いと言えるのです。
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■■ 3. 今 日 の 謎 ! (滅)
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まず、今日の謎を一言で整理して見ることにしましょう!
その謎1:成道と成佛との実際の状況は違うようだ。
その謎2:一時、王舍城という所に住んでいたのは何故か?
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■■ 4. 今 日 の 知 識 ! (道)
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成道とは正確な「道」を得た、或いは達成したことであり、成佛とは佛に成れた、或い
は生まれつきにも「佛」であったことを悟ったということでありましょう。
釈迦は元々は佛のままに生まれてきたのですが、最初は佛として生まれてきていること
を釈迦自身は知らなかったようです。
釈迦は王子として生まれ育ち、青年期に大きな悩みを生じ出家したのです。
それは一種の家出に近かったのだと思います。
そして、途方にくれて旅先で何人かの将来弟子となる者達と巡り会います。
その後35歳で成道したというのは王家を完全に捨てて佛道に専念することが自身に
とっての正解の道であったとはっきり悟ったということになるでしょう。
ところで、釈迦が、一時、王舍城に多くの仏道修行中の比丘たちと共に住んでいたと説
明されているのは亡くなる直前までの年老いた頃の数年の状況です。
釈迦は寿命80歳で亡くなられたといわれてますから、35歳の成道の時から40余年
の間、弟子や信者達を引き連れ、集めて説法を続けていたわけであります。
つまり1万2千人の者達と山中に篭城していたと想定すれば、釈迦の生存中とは若く王
家を捨てたために決して裕福で安楽な状態であったわけではなく、晩年に至るまで社会
から迫害されて潜んで修行していたような悲壮な人生だったのかもしれません。
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■■ 5. 今 日 の 解 脱 ! (解)
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どうでしょうか? 皆さんは今までお釈迦様というイメージを誰もがほとんど同じくら
い知っていて当然のような感覚を持っていられたのではないでしょうか?
ほとんどの方は、釈迦は王家に生まれ、とても将来は安泰に恵まれた暮らしをするはず
だったけど、あえて釈迦は裕福な暮らしを自らの決意で捨て去り、一般平民、衆生全般
の為に質素で厳しい仏教修行の道のほうを選んで歩まれたと教えられているでしょう。
しかし、現実の釈迦の生まれ育った頃の王家としての社会や世界の情勢はそう恵まれて
はおらず、古くから続いた王族は次第に滅ぼされていくような、それまでには誰もが考
えもおよばない、まったく新しく、恐ろしい時代の訪れ時期なのでした。
またこの頃は、過去何千年間と続いたエジプト文明すらもそろそろ終盤期を迎え始める
頃でもあったのでした。
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そういう考えられない物騒な状況下でインドのインダス文明もすでに釈迦の生まれる数
百年前に完全に幕を閉じ崩壊した後の時代でした。
ですから、釈迦は若い時期、王子でありながら単に興味本位に仏教の道を選んでいった
わけではなさそうです。
それなりの時代背景によるやむを得ない歴史変化があったわけです。
そういう現実的なことをこの法華経から読み取らなければならないのです。
そのように釈迦の教えとはそのまま当時および未来の現実に即した実践的な教えである
確証がこの法華経に実は書かれているのであります。
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■■ 6. 今 日 の 振 返 り !(脱)
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私が中学生の時、現代国語の先生はとてもユニークで変わった授業をする中年の女教師
でした。
その女教師は国語の教科書に書かれている隅々穴が開くまでに物凄く時間を掛けてどこ
までも検討を深めさせるというまったく妥協を許さない一風変わった先生でした。
文章一行一行のたびに作者は何を言おうとしているのか、何か疑問はないかを洗いざら
い僅かなこと、どうでも良さそうな、どんなことまでも考え付くすべて底ざらいにふと
した感想や質問を生徒自身に出させ、それをさらに別の生徒からの意見や回答について
を徹底的にその授業時間を目一杯酷使して詳細に取り組みさせるのです。
そんなことしていたら前に進まないし、教科書全部が終わらないと思うのですが、不思
議としっかり終わっていました。
この経験は、何れ別れて行くクラスメートの連帯感が深まる今でも忘れられない特別な
思い出になっています。
今思うとそんな経験がこの法華経を読むことへのきっかけや訓練になっていたにちがい
ないなどと不思議に思うことがあるのです。
先ず今日は創刊号からお読みいただき、誠にありがとうございました。
1年間、末永くご愛読いただけますよう、今後とも何とぞよろしくお願いいたします。
(ぶっけん)
▽▲▽ ご予告: 明2日AM6時発行
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▲ ~ 諸仏の知恵は難解難入なり ~
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方便品第二(一~五行) です! どうぞご期待ください^~^
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