ぼくがもどる場所なんて、どこにもない
(Vol.1)
孤独な少年幸一は春引っ越したマンションの隣人黒崎に奇妙な関心を寄せられ、当初これをおそれる。
しかし彼の強引さに戸惑いながらも彼の「優しさ」や親切に流され、次第に彼に依存しはじめた幸一は、全くの無知の状態から、少しずつ早すぎる性体験を擦り込まれていくのだった。
(VOL.2)
幸一は黒崎のなすがままに深みにはまっていく。恥辱や苦痛をともなう行為も断ることができないのだ。黒崎の巧みな威圧や「優しさ」によって。
いつも最後に選ぶのは幸一なのだ。最後の扉を開くかどうかも、彼にゆだねられていた。
未成熟な少年の一人称による主観的なエロスと、快楽、恐怖や苦痛の描写。その向こうに仄見える業深き学者黒崎の悪意。
本作は本サークルでもっとも強烈で強烈で残酷と思われる作品「小説 無間」の前日談で、Vol.1では「ハードで濃厚、SM未満」といったところですが、Vol.2ではストーリー描写よりもエロス描写がほとんどの構成でSM描写がどんどん濃厚になっていきます。
Vol.1を読まなくてもエロス自体は楽しめますが、キャラ設定や物語開始時点の「なぜここに至ったか」は多少わかりにくくなっています。作者としてはVol.1からセットで読んでいただきたいです。
約40000字 挿絵1 文・絵 とりさん
なお、同じストーリーの黒崎視点Side-kurosakiを無料連載しています。あわせてお楽しみ下さい。