アストラルの森2/聖人間工房
第1章 第1章・妄想回路
○はじめに
これからあなたが訪れるのは、あなたの
潜在能力と覚醒のエナジーを引き出して
くれる物語です。読み進むにつれて
あなたの潜在意識に眠っているパワーが
小説の波動と同調して、知らず知らずの
間にゆっくりと目覚めてゆきます。
長い長い旅になります。ごゆっくり
お楽しみください。
○o。..。o○o。..。o○o。..。o○o
第1章・妄想回路<�1>
大町遼介は生あくびを噛み殺しながら、
気だるそうに首を回した。いつもの事だが、
仕事の終わる夕方5時の10分前になると、
急に時間の進み方が遅くなる。
「それじゃ、お先に・・」
遼介は5時きっかりに職場のフロアを
出て、2分後に区役所の外にいた。
彼は行事の宴会以外、めったに職場の
同僚と飲みに出歩かない。結婚して2年。
最初は新婚である事が口実だった。その
うちに同居していた母親が癌で入院し、
その介護が理由になった。
だが内心では、同僚とのつきあいが
ひどくおっくうだった。酒の席で聞か
される上司の悪口や愚痴の数々は、苦痛
以外の何ものでもなかった。カラオケも
苦手だし、風俗店も嫌いだった。なんだか
汚れた公衆便所のような不潔感があった。
そういう場所に通う男や働く女たちも、
軽薄で淫乱な馬鹿に見えた。
「私には美人の妻がいる。」
それが彼のプライドだった。
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