MaraSon Part2
第5章 4-1
僕はカメラを少し下に傾けて、四つん這いの大樹君の全身が可能な限り大きく収まるように調整した。
それから、クローゼットの奥にしまってある様々な道具類の中から、グリセリン液の瓶を取りだした。五〇〇ミリリットル。未開封だ。めったに使う機会はない。アナルセックスOKの子を、さらに説得してなんとか、ってところだから。れいじくんはだいちゃんに、たぶん、毎回使っている。
それから、バルーンって器具だ。これはアナルに入れてからポンプで空気を入れてふくらますわけだけど、僕のにはもう一本ホースとポンプがついていて、バルーン先端に向けて突き抜けている。栓をした直腸内に、液体を注入できる。しっかりふくらませば、多少圧力をかけても抜けない。でも今日はひどく責める気はない。父親にやらせる。その絵を撮るのが目的だ。
僕はバスルームからプラスチックの洗面器を持ってきて、台所でそれに、グリセリン五〇〇ミリリットルを全部空けた。そこに目分量で、だいたい同量の水を注いだ。少し多め、濃すぎるのはよくない。二倍希釈で市販のディスポ浣腸とほぼ同じ成分だ。真冬の水道水。ぬるま湯にしてやるのが本当の優しさというものだろうけどね。
僕はそれを食事でも運ぶように捧げ持って、寝室に戻り、大樹君の背後に静かに置いた。これも映るように、カメラは少し引いた方がいいな。
バルーンは丁寧にお湯で洗った。使ってないが一応はね。アルコール綿で、丁寧に拭っておく。大事な大樹君のからだのためだ。それを持って寝室にまた戻って、洗面器の液体ににホースの先を漬けて、バルーン本体を床に置く。
大樹君は四つん這いで長く放置されて、さっきもひざまずいていたから、ちょっと膝が痛いのか、膝の位置をちょっと動かしたり、僕や道具を、ちらちら見ていた。何をされるか不安だろう。新しい体験を次々させてあげる。
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NIGHT
LOUNGE5060