天国への階段 裏版・中学生日記
天国への階段 裏版・中学生日記
成人向完結
発行者:とりさん
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ジャンル:その他

公開開始日:2012/07/11
最終更新日:---

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天国への階段 裏版・中学生日記 第1章 1
 先輩は勝手にしゃべってるんだけど、どうも辞める部員が多くて、公式戦に参加できなくなりそうだから、頭数だけでいいから入って欲しいとかいう話だ。無理だ無理だと言ってもしつこい。第一そんなに人数が少ないのなら、ぼくも試合に引っ張り出されるんじゃないだろうか。柔道着買わされて、人前で痛い目に遭わされて笑いものなんていくらなんでも嫌だ。

 そのうち、ぼくのもごもごした物言いの何かが気に入らなかったようで、ぼくは先輩に襟首をつかまれた。こわい。
 そこに、仙石君が通りかかった。
 親しげに先輩に話している。
 「ああ、こいつ運動無理ですよ。僕誰か捜しますから、放してやってくださいよ」
 仙石君も軽くぼくをバカにしているけど、助けてくれた。先輩はぼくの頭をちょんと小突くようにして、背中を向けて去っていった。
 「……ありがとう……」
 「この肉じゃ運動部向きじゃないよな」
 ぼくはお腹の肉をつかまれた。何も言えなかった。仙石君はぼくを廊下の壁に押しつけて、しつこくお腹を揉んで、胸もつかんだ。
 「女みたいな胸だよなお前」
 嘲笑っていた。同じようなことを、五年の頃六年の何人かに囲まれてされたり言われた時は、助けてくれたのに。
 「毛生えた?」
 笑いながらぼくの股間をぎゅっとつかむので、さすがにぼくはその手首を握ってずらして、もう一方の手で股間をガードした。へっぴり腰になっていた。
 そのぼくを抱くように仙石君の手がぼくのお尻に回って、ヒップポケットから財布を抜かれた。
 「あ……」
 「助けてやったんだからこのくらいいいだろ? じゃあまたな」
 財布には七百円しか入っていないけど、今月のぼくの小遣いはそれと家に二百円くらいだけだ。それでもぼくは、返してくれと言えなかった。それが間違いだってことはその時わかっていたし、全ての始まりになってしまったことは、あとからすごく後悔したけれど、できないものはできないし、後悔しても、何もかも手遅れだった。
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